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04.16
Sat
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玉川上水。2016年3月31日。武蔵野市境で写す。

玉川上水は江戸前期、江戸の飲み水確保のため多摩川の水を引いた上水道。羽村市から四谷まで四十三キロ、幕府の拠出金6000両、経済の仕組みや、生活様式が全く違う現在、一両の価値がどれほどのものか分からないが、荻窪まで掘って6000両が尽きたそうだ。当時は重機などなく人手に頼った。これらから類推、想像するしかないのではないだろか。羽村、四谷間標高差わずか100メートル、今の土木技術者も脱帽とか。
玉川上水は今もその佇まいや草木に当時の面影が偲ばれるものを残している。

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ニリンソウ キンポウゲ科。2016年3月31日写す。以下同じ。武蔵野市境、国木田独歩「武蔵野」碑から小金井市、梶の橋までの玉川上水土手で写す。

こんもり盛り上がった葉っぱの集団を座布団に敷いて、星形五弁の白い花が可愛い。人間嫌いの花。庭に植えても2、3年で消えてしまう。一本の花茎に二つ咲くから二輪草。二個以上咲く事もあるようだ。写真の二個目は未だ蕾。
キンポウゲの仲間はトリカブトやウマノアシガタのような毒草が多いが、ニリンソウはキンポウゲ科の中で食べられる種類の数少ない一つ。その上おいしい。

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タチツボスミレ スミレ科
いちばん早く咲き、いちばんよく目にするスミレのような気がする。スミレの仲間は根から直接葉の茎が立ち上がるものが多い。タチツボスミレは茎が立ち上がり茎から咲く。花や葉がそっくりな壺スミレがある。立ち上がって咲くツボスミレと云うのだろうか。
寒さに立ち上がれず必死に咲いていた。
スミレはロマンを誘う花だ。万葉集も、宝塚の歌姫もスミレを歌う。

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?スミレ 名前は分からない。何処かで見たような気がする。あまり好きではない外国渡来のスミレかも知れない。だが寒さに縮こまって一生懸命咲いていたのがいじらしかった。

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ノイチゴ バラ科
町を出れば何所でも普通に見られる。珍しい花ではない。野に咲く木イチゴの中でも花は大きめ。熟したイチゴは少し苦味があるがおいしい。幹も葉もトゲに被われているのでご注意。

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フデリンドウ リンドウ科
玉川上水は都会の、ど真ん中を流れている。そんな所にこんな花が咲くとは驚きだった。リンドウは漢字で竜胆。龍の肝の様に苦い。胃の薬。
リンドウの仲間は秋に咲くものが多い。フデリンドウは寒気に震えて春一番に咲く小さな可愛い花だ。まさか胃の薬にする人はいないと思う。本来人間は優しいのだ。分けても日本人は。
昔の人もリンドウが好きだったのだろう。家紋にリンドウ模様を使ったものが多い。分けても源氏の紋、笹リンドウは有名。能で源氏の武将の腰帯の文様は笹リンドウ。源氏と言えば源義経。義経が登場する能は数々だがほとんど子方の役。イメージが定着していて主役に作るのが難しいのだろうか。唯一義経を主役にした能がある。「八島」。八島は義経が名声を残した瀬戸内海の古戦場。今は陸続きだが。

能「屋島」の前場、義経の化身、漁翁が八島の美景を謡う。しみじみと心に沁み入る。嘗ての大英雄の、老いての述懐に通うからだ。
漁翁は僧に義経の勇姿を語る「大将軍の御装束には赤地の錦の直垂に、紫裾濃の御著背長、鐙踏ん張り鞍笠に突っ立ち上がり一院の御使、源氏の大将検非違使五位の尉、源義経」
戦前の子供の戦争ごっこで流行ったと聞いた事がある。子供ならずとも人は強きに憧れる。
後場では義経が本体の勇姿を現し「弓流し」を語り武士の道を説き、八島の決戦を勇壮に見せて留める。
この能には反戦の文言が全くない。今の反戦は人道上の反戦だが当時は仏教上の反戦。
戦いを事とする者は地獄、修羅道に落ちる。この類の能は修羅道で留めるものが多いが、「八島」は、人道も仏説もさて置いて、唯々勇壮な戦いと剛勇の武将を物語として楽しむ。
能「八島」の詳しい解説はこちら

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