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08.06
Sat
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2016年7月23日写す。以下撮影日、同じ。
霧に包まれた御嶽神社。本殿は修復中でシートに覆われていた。

御嶽山の花を見に行くとメールしたら危ないから止めた方がいいと云われた。去年噴火して犠牲者を出した木曽の御嶽山と勘違いしたらしい。漢字では同じでも、木曽はオンタケ、奥多摩はミタケ。漢字の読みはややこしい。
梅雨の終わりで時折小雨がしょぼつき全山霧に包まれていた。好天とは又違った風情がよかった。
JR御嶽山駅からバスで十五分程、ケーブルカーには乗らず枯れ枝の杖で登った。写真を撮りながら宿坊が点在する集落を過ぎ、土産物兼食堂のソバとビールの誘惑を振り切り山頂の神社を目指した。約二時間。

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タマアジサイ ユキノシタ科
蕾がビー玉ほどの、球形をしているので付いた名だという。蕾を包んでいる皮膚の様な物を苞と云い、葉の変形で中の蕾を保護しているのだそうだ。植物と侮れない賢さだ。日当たりの悪い木の下が好きなようだ。お日様嫌いも面白い。

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退色したような薄緑色の花だった。花は華やかが通念。この花、侘び寂を好む通人のフアンを狙ったか。野性の一種だろうか。名前は分からない。
野性のアジサイはガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイだけだと思っていた。今まで気に留めなかったが野性のアジサイは色々あるのだなと。これらのアジサイは日本の固有種だときけばいっそう愛おしい。

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クサアジサイ ユキノシタ科
背丈30センチ程、白地にごく薄い赤紫がかった色合いだった。清楚できれいな姿だった。この花の名前を知らなかった。調布市にある野川公園の自然観察園の人に教えて頂いた。

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ギンバイソウ ユキノシタ科
白い五弁の花を梅に見立てて銀梅草。蕾の形が奇妙だった。花も奇妙かと思ったらきれいな花だった。
奇妙な花だってある。花は色だけではなく形でも虫を引き付けるのでは?考えてみると花はそれぞれ色、形に特徴がある。人はどうでもいいのだ、虫を呼ぶための、あの手この手だろうか。この花も野川公園の人に教えて頂いた。

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上と同じような背丈だった。花は豪華だった。透き通るような薄紫色がまわりに映えた。
タマアジサイではという。ともあれこんな小さな木に一個だっけ、これ程までに豪華に咲くとは、恐れ入りました。

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ガクアジサイ
木も花も一際大きく豪華だった。ガクアジサイは海岸近くに多い花だそうだから多分、人が植えたのだろう。紫の色も他のものより濃かった。交配種かも知れない。
色、形、模様、美しさは浮世絵で見る遊女のかんざし。
このあじさいの簪を、能「班女」に登場する遊女、花子の頭に刺してあげたい。

能「班女」は狂女物と呼ばれる曲。ドラマ性の高い能だ。冒頭からドラマチック。シテ花子は野上の宿の遊女。恋人と再会を約して取り交わした扇を抱いて、現ないさまに橋掛かりを歩むシテ花子に、腹を立てた宿の長が小言を言いながら纏わり付く。恋に落ちた者に小言を山積みにしても聞く耳を持たぬのが恋。誰しも多少の覚えがあろう。宿の長を間狂言が勤める。笑うに笑えぬ、のは身につまされる故だろう。冗談が過ぎますかね。
物語の中心であるクセと、続く「中ノ舞」の舞後で恋人への想いを切々と、美しい詞章と豊かな韻律で謳いあげる。作者世阿弥の自信作という。
取り交わした扇がドラマのキーワードだ。この扇を効果的に使い独特な興味深い「型」をみせる。
能「班女」の詳しい解説はこちら

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