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03.19
Sun
お祝いに娘達が荻窪の割烹料理に招待するという。滅多に行けないのでワクワクの数日だった。荻窪は2、3思い出のある所でもある、周辺を歩いてみることにした。早春とはいっても野や山はまだ冬、花などある筈はない。野山より暖かい町から先に春は来る。郊外の我が家より荻窪には早い春は来ているのではと、招待された日カメラを担いで約束の2時間も前に
勇んで出かけた。温かくなると雑草と嫌がれる草達の花もこの時期は見直される。この花達が目当てだった。

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宮前の街並み。この界隈で写した。2017年3月4日 写す。以下同じ

荻窪の思い出その1。
飲兵衛の友人がいた。井の頭線の高井戸と荻窪駅の中間、やや高井戸駅寄り、病身の母親と住んでいた。二人でハイキングに行った。冬は足の鍛錬と称して専ら雲取山の連山、七つ石山に登った。山の頂上に着くまでにサントリー、ダルマを一本開ける酒豪だった。アルコールを飲みながら山に登るなど聞いたことがなかったのでビックリだった。ウイスキーと水を代わる代わる飲み大汗をかいて登った。汗までウイスキーの匂いがした。
夏に登ったことがあった。休憩した登山道に夏椿の白い花が数個落ちていた。庭に植えてあるのはよく目にするが野生は見たことがない。それらしき山椿の大木を咲いている筈だと見上げたが花は見えなかった。

その2
もう一人変わり種がいた。謡曲の同好で知り合った。工学部を卒業した彼は親の反対を押し切って神主になった。環八通りから五日市通りを西に入った処に春日神社がある。彼は春日神社の神主になった。神社のまわりは宮前と呼ぶ町、春日神社の門前町だったのだろうか。昔は由緒ある神社だったのだろう。彼は神社近くのアパートに住んでいた。ちょいちょい行って、夏でも汗をカキながらビンビ鍋を食べた。ビンビ鍋は彼の命名だった。土佐の高知の民謡でビンビは聞き知っていた。幼児言葉で魚をビンビと呼ぶそうだ。彼は高知出身だった。
部屋の窓際の座卓にはワンカップオーゼキの空き瓶に野草の花が生けてあった。
神官になって間もなく建設業の父親が病に倒れ、しぶしぶ高知に帰った。しばらくして広島の美人と回り逢い結婚した。“土佐の高知の播磨屋橋で神主カンザシ🎼”買ったのかと手紙した。結婚式に招待されたが能会と重なり行けなかった。

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カラスノエンドウ? マメ科

小葉の形や付かたが違うようで、カラスノエンドウか分からないが細かいことはさて置きカラスノエンドウとしてもらう。一年振りでお目に掛かかった。懐かしく、こんなにきれいだったかと感激しきり。

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ホトケノザ シソ科

春の到来を知らせる花。花をつけた草の姿に春を想う存在感がある。野草の花の風合いの美しさは説明できる言葉がないとつくずく思う。漢字で仏の座。葉が茎を抱くように付く様が仏様の台座に似ているからという。仏さまの台座は蓮の花、ホトケノザの深い葉脈の溝を見ていると色は緑だが、重なった花弁の蓮の花に見えて来る。

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オオイヌノフグリ ゴマノハグサ科

透き通る淡い空の色、小さな妖精のような可愛い花。大犬のフグリ。実の形からつけた名だそうだ。この花によくもこのような意地の悪い名を付けたものだ。説明するのも憚れるが大方の人は知っていると思う。オオイヌノフグリは外来種、日本産は小型だが外来種に追われたか少ない。

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ナズナ アブラナ科

薺、何やら難しい字だがナズナは春の七草。昔は身近な草で字も身近な字だったのだろうか。撫菜ともいうらしい。ナズナの花には悪いが撫でる程きれいな花とは言い難いが春一番に咲いてくれるのは有難い。ぺんぺん草とも。この方が通りがいい。“ぺんぺん”は三味線の擬音。実が三味線のバチに似ているから。
三味線は室町末、沖縄から渡来した三弦を日本式に改良したという。沖縄のものはニシキヘビの皮が張っていて三線(さんしん)と呼ぶ。
三味線以前の日本の弦楽器は琵琶。琵琶法師が弾じて「平家物語」を語り、貴族は管弦の遊びに興じた。平安末期に琵琶の名手がいた。平経正。一の谷の戦いで散った悲劇の武将。
能に作られた。能「経正」、格好の題材だ。

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軍装姿で現れた経正の霊が、あり日の夜遊の宴を偲び舞う

能「経正」は、経正を弔う管弦講の法事に、在るか無きかに朧おぼろと現れた経正の霊が、手向けの琵琶に興じて優雅な貴族の管弦の遊びを見せ、幻想的に舞う。
小品ながら無駄のない引き締まった能、上演頻度の高い佳曲。管弦講は現在でも高野山などでも行われている笛や琵琶などの演奏で行う法事。
経正の生年は分からないという。それ故か使用面は少年の顔の「十六」又は青年を想定して中将を使う。中将は在原業平の顔だとする。
能「経正」の詳しい解説はこちら


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