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10.05
Sat
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白駒の池 2019年9月6日写す。以下同じ

八ヶ岳連峰の北へ続く尾根をメルヘン街道と呼ばれる国道299号線が
横切り越える。峠が麦草峠、標高2000Ⅿを越す。
少し下ったところに白駒の池がある。苔と紅葉で有名だという。
ウイークデーだったが白駒の池の登山口の駐車場は満車に近かった。
ニコニコ笑いながら中年の男性“駐車料金、結構なお値段ですね、
トイレも50円です。50円が惜しい訳ではないですが、
こうなんでもかんでもカネ、カネ、カネでは50円が惜しくなりますネ”

小銭が人を惑わす。先日、お酒を頂いた方にお礼のハガキを書いた。
10月1日から消費税が10%になったとテレビが騒いでいたので
62円×10=6円20銭。ウン、10円切手を貼って3円80銭は
郵便局に寄付、どうだ太っ腹だろうとニヤリと笑い赤いポストに投函
5,6歩、歩いて待てよ、しまった!8%が10%になったンだ。
2%でよかったんだ。大損しちゃった。畜生!テレビめ!ポストに向かって
怒鳴ってしまった。

増税を喜ぶ人はいない。喜ばない増税を敢えてやるにはそれなりの理由が
ある筈だ。テレビや新聞は10%と叫ぶだけで教えてくれない。
ポイントなど小細工は止めて増税の必要性を根気よく国民に説明すべき。
偉い知識人の方々、世論を導くと仰る方もいたという報道関係の方々も
視聴率は10%を強調すれば上がるだろうが、増税にかかわる諸問題の
ホントのことを教えて欲しい。2%が惜しい訳ではない。
10%、10%は聞き飽きた。

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視界の限りコケで覆われていた。空気は清浄、鳥も蝉も鳴かず静まり返っていた。
出会う人も静かに“こんにちは”

♪山の真昼、日はうらら風もさやかに通う、心満たす静けさに独り歌えば楽し
 ホイ、ラリラリラ、ホイ、ラリラリラ、木霊遥か答える♪ 
小学校低学年の頃、風変わりな先生に教わった。
山道など静かな所を歩いていると口をついて出る。
風変わり先生、即興の歌を作り子供達に歌わせた。

炭焼きの父親と山に住んでいて遠い道のりを通学する友達を思いやる歌が忘れられない。
♪ほっほーほオほオ梟よフクロウ、梟のお里は古田の森よ♪
炭焼きの里の名は古田、彼の名も古田、寡黙の少年だった。
風変わり先生は心臓病を患い静養のため生まれ故郷に帰省のところを乞われて
子供達に音楽を教えた。2年程、体調が戻ったのだろう東京に帰った。
東京の音大の先生だったとか後で聞いた。
“山の真昼日はうらら”の歌は、風変わり先生の作詞作曲かも知れない。
手を尽し調べたり人に聞いたりしたが全く手掛かりなしだった。

往年の山男たちは山に因んだ歌を折に触れ歌った。
♪娘さんよく聞けよ山男にゃ惚れるなよ、山で吹かれりゃヨ、若後家さんだヨ♪
♪槍の頂上で小便(しょんべん)すれば小梨平に虹が立つ♪
彼ら山男のテーマソングであり愛唱歌だった。
山男の友人に“山の真昼”や“古田の森”を教えた。
仲間に自慢するのだと、涙までは流さなかったが大いに喜ばれた。

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サワギキョウ(沢桔梗) キキョウ科

水気のある草っ原に群生していて口あんぐりで見惚れたことがあった。
迷い込んで住み着いたのかたったの一本、クサフジが絡みついてまるで
縄張り争いのように見えた。こんな姿を見たのは初めて。
ジット見つめていたら何やら考えさせられてシュン。
深い紫の花色が魅力の花。紫は高貴の色。能の装束に長絹がある。
高貴な女性は紫の長絹を着る。

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ハンゴンソウ(反魂草)キク科

豪華な花。北海道に多いらしい。昔この花がマスの遡上の時期を教えたとか。
名の由来は多分この花を焚いて死者の魂を呼び寄る呪術師がいたのだろう、
実際にあったかは分からないがとある図鑑にあった。

漢の武帝は寵妃、李夫人の霊を冥界から反魂香を焚いて呼び寄せた。
能「花筐」の“李夫人の曲舞”で語り舞われる。
戦前までの知識人は能の愛好者が多かった。
反魂草と名付けた学者は能の愛好者に違いない。
名付け親はハンゴンソウの花の姿を李夫人に重ねたと一人合点している。
恐山の巫女や沖縄のノロにハンゴンソウを焚いたらと教えようかナと、、、、、冗談
若芽は食べられるらしいが春の新芽は見分けがつかないので食べたことはない。

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ヤツガダケアザミ(八が岳薊)キク科

八ヶ岳だけに咲く固有種だそうだ。オッカナイ棘で“摘んではダメ”と
脅している。だが鹿はあの優しい顔でパクリとアザミを食べてしまう。
中国の新疆ウイグル自治区、タクラマカン砂漠の駱駝は恐ろしいトゲの
生えた灌木を口から血を流しながら食べる。名前は忘れたがピンクの
きれいな花が咲いていた。

動物は命を繋ぐために生き物を食べる。人は更に生活のために生き物を狩る。
仏教を深く信仰していた昔の人は、動物の命を取り、食べると地獄に堕ちると信じていた。
能「善知鳥」の陸奥、外ヶ浜(青森県)の猟師は生活のため仏戒を犯し地獄に堕ちた。
地獄はあの世だけではない、この世にもあった。立山地獄に堕ちたのだ。

立山禅定の僧の前に現れた猟師の霊、陸奥へ下ったら妻子に
蓑と笠を手向けるよう頼んで欲しいという。
訝る僧に着ていた麻衣の片袖をちぎり取り証拠にと僧に渡す。
蓑と笠を手向けよとは何?ミステックこの上もない。
陸奥へ旅立つ僧を、願いが叶うよう祈りを込めて老人は立ちつくし見送る。

蓑と笠を手向ける妻子の前に現れた猟師の霊、善知鳥を獲る場面を見せる。
この曲専用のカケリ、息詰まるリアルな舞に圧倒される。
子を獲られた善知鳥の親鳥は空から血の涙を降らす。
血の涙は猟師の皮膚、肉を溶かす。猟師は手向けられた蓑と笠を着て逃げ迷う。
蓑と笠の手向けの謎、氷解。
地獄では生前殺した獲物が怪鳥となって逆に猟師を襲う。眼をくり抜き肉を裂く。
凄まじい地獄の有様を見せ“助けてたべや御僧”と叫び猟師の霊は地獄の闇に消える。

善知鳥
砂浜の巣に隠れている善知鳥の子鳥を狙う猟師

能「善知鳥」の詳しい解説はこちらこちら
「花筐(はながたみ)」はこちらこちら

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