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08.10
Sun
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平成26年8月1日新潟県雨飾山登山口で写す。(上は満開、下はつぼみ)


和名は姥百合。花が咲く頃には葉が枯れる、葉を歯にかけた名前だというがどうにもピン来ない。「花が咲く」は姥ではなく娘では?と。何かの本で読んだのか、聞いたのか、さだかではないが、乳母が育てた児が花咲く娘になる頃、乳母は歯が抜け姥になる。こうくるとガッテンだ。
根にヤマユリと同じ球根(鱗茎)があって質のいいデンプンを含み美味しい。他のユリにも鱗茎があるのに、ヤマユリといったのは、苦味が全くなく一番美味しいのはヤマユリだから。春の芽立ちの葉っぱも美味しいらしい。「らしい」とはまだ食べたことがないから。赤みをおびたテカテカした丸い葉が少々気味悪い。食べるのには少々勇気がいる。春は美味しい葉っぱがいっぱいだからかも知れない。ユリにはいろいろ種類があって、鱗茎も花も葉も、形はよく似ている。ウバユリは少々不細工だが花も鱗茎も似ているが葉は、これが百合?というほど違う。他の百合は笹のような細い葉だが姥百合は幅が広くまるでチンゲンサイの葉だ。ウバユリ属として区別するのもあるらしい。この区別は葉っぱが違うからかナ?と素人は思ってしまう。(ユリはユリ属をさす)

乳母が活躍する能に「雲雀山」がある。中将姫の物語。中将姫は伝説上の人とも、天平時代のひととも。奈良の二上山の麓にある当麻寺にある国宝、当麻曼荼羅は中将姫が蓮の茎の繊維で一夜にして織ったという伝説だ。この能では中将姫は子方で登場する。自分の境遇を謡う詞章が室町時代の小唄集、閑吟集に採られているという。誰にでも親しまれた人だったのだろう。子方が謡う詩が健気で、姫の境遇を思い涙をさそう。

右大臣藤原豊成は人の讒言を信じ我が子中将姫を雲雀山で殺せと臣下に命じる。臣下はさすがに殺せず草の庵を結び匿い、乳母(シテ)の侍従に姫を養わせる。乳母は季節の木々の花、草花を採り狂気を装い、行き来の人に売り姫を養う。
古今和歌集などの詩歌をちりばめた詞章が少々硬質ながら美しい。シテ、侍従が姫を思い舞うクセ、中ノ舞に他の狂女物とひと味違う趣がある。
中将姫は雲雀山から救い出されて程なく、世の無常を観じ、当麻寺に籠もり生涯、仏に仕えたという。仏の道以外、何も知らない純真無垢のまま生涯を送るということは、どういうことなのだろうか。無信心な俗物には想像も及ばない。 
当麻寺は静かな山の中だったように思う。遠い昔に訪ねた。又訪ねたいと思う。これも何かで読んだか聞いたか定かではないが、当麻寺の名の由来は、昔、この寺で当麻を焚いて恍惚とさせ法悦に導いたと言うが、語呂合わせの戯れ言だろうか。

中将姫は人の讒言に陥った。いつの世でも尽きないものは恨みつらみ、謀略。今はこれらが国家規模で行われるから昔と比較にならないほど恐ろしい。
     能「雲雀山」の詳しい解説ホームページ、能曲目の解説をご覧ください。


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