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2014年10月16日山梨県瑞牆山で写す。

マムシグサか自信がない。テンナンショウ属には数十種があり学者でも分類が難しいらしい。ましてや素人に分かる訳がない。当たらずとも遠からず、“野草好き”に免じて勘弁して頂く。
茎の文様が蛇のマムシに似ているので付いた名だそうだ。マムシはおいといて、よくよく見ると色と云い模様といい、う~ンと頷き感心する。植物がどうしてこれ程の模様を作るのだろうかと。
花がまた変わっている。壺型で花は壺の中に。蓋まで付いている。まるで鎌首を持ち上げたマムシだ。かじると猛烈にえぐく、いがらっぽい、口の中は火事。
いたずら好きの山男が人に囓らせて喜ぶ話をよく聞く。毒だそうだが身体に障るほど食べる人はまずいないと思う。
実は熟すとピンク。透き通るようにきれい。まるで宝石。熟した実、半熟、まだ青いものが混じり合ったものがあった。まるで色々な宝石をちりばめたようできれいだった。

この実を見ていると思い出す。十数年前、インドのアグラ城を訪れた。1560年頃、(日本の室町後期)ムガール帝国の王が建てたというインド砂岩の壮大な城だった。柱に色とりどりの宝石が埋め込まれていた。宝石に興味が無いので名前は覚えていない。所々ほじくった跡があった。この國を植民地にしていた人達が、いい物を選らんで持って行ったそうだ。庭にラピスラズリの原石で作ったベンチがあり真ん中にヒビが入っていた。これも植民地さんが持って行こうとして叩き割ろうとした跡だとガイドさんが教えてくれた。あまりの重さに諦めたそうだ。ラピスラズリの原石がこれ程大きいものかは知らないが中東辺りから運んで来たそうだ。
この城の、大きな川の斜向かいにタージマハールまみえる。
タージマハールは美しい。門に一足を踏み入れ、一見しただけでハッと息を飲む。世界にこれほど美しい建造物が他に在るだろうかと思った。王妃の墓だという。「わたしを愛しているのなら世界一美しい墓を作って欲しい」。王妃の遺言で、二十二年の歳月をかけて建てられた。門の屋根のてっぺんに作り物の鳥が二十二羽並んでいた。工事の歳月を一年ごとに、鳥一羽ずつ増やして数えたと聞いた。王も、作る人もなみなみならぬ思いだったのだろう。王妃は王との間に十四人の子をもうけた。王は我が子の王子に、アグラ城に幽閉され対岸のタージマハールを眺め王妃を偲び、幽閉のまま生涯を送ったという。

能にもアグラ城の王と同じ悲惨な境遇の生涯を送った男がいる。
悪七兵衛平景清だ。景清は平家の猛将。平家が滅んで源氏の世の中を見るのを厭い、自らの手で両眼をえぐり取ったという。日向の國に流され、あばら屋に住み所の人、道行く人に哀れみを乞う乞食の生活を送る。
この能はドラマ性が薄い。
老残の敗将を鎌倉からはるばる娘が訪ねる。己の境涯を恥じ名乗れない心の動揺。娘にせがまれ語る武勇に、甦る昔。共に暮せない不遇に親子は涙してわかれる。
武士の気骨や親子の情愛、盲目の無残な身の上を風の音、波の音、雪など自然現象などに託して吐露する。「心」を見せる能なのだ。冒頭、景清が己の境涯を述べる「松門の謡」が曲の主旨を凝縮した傑作だ。演者はそれぞれの想いを持って演ずると云う。

「景清」の詳しい解説は「能曲目の解説」をご覧ください。
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