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07.18
Sat
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ヤマアジサイ 2015年6月19日 東京都奥多摩町日原で写す

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ガクアジサイ 2015年7月16日東京都調布市野川公園で写す

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アジサイ(交配種) 2015年6月12日 東京都八王子市高尾 多摩森林科学園で写す

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ノリウツギ 2015年7月11日 岩手県久慈市で写す

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カシワバアジサイ 2015年7月18日 東京都千駄ヶ谷で写す。植栽。見頃を過ぎて変色している

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能「猩々」 2008年6月28日 渋谷区千駄ヶ谷国立能楽堂 シテ山田夏樹


梅雨時の花といえばアジサイ。知らない人はいないと思う。あちこちの庭先に植えてあり馴染みの深い花だ。
昔から愛された花らしく交配種が色々ある。最近はエッ!これがアジサイ?とビックリする珍奇なものもある。
この“アジサイ”という名前、交配種の名前だということを知ったのはつい数年前。
交配種の元々の親は「ガクアジサイ」や「ヤマアジサイ」
ガクアジサイもヤマアジサイも日本の固有種。
アメリカ産で同じアジサイ属のカシワバアジサイがある。時々庭などに植えているのを見かける。花は房状で葉は深く切れ込み、ザラザラ。柏餅のカシワに似ているからの名前だという。同じアジサイ属のノリウツギの感じ。アジサイのイメージにほど遠い。
ノリウツギは「糊空木」。樹皮のネバネバを、和紙を漉くときの粘着剤に使うそうだ。
「アジサイ」の名は、紫の花が重なって咲くからとも、また中国産のアジサイに似た花、紫陽花の名を拝借して、アジサイの原種も交配種もひっくるめてアジサイと呼んだそうだ。
普通なら親の「ガクアジサイ」が「アジサイ」で交配したものが「何々アジサイ」と名前を付けるのが普通だろう、何かヘンだと思っていた。訳を知ってビックリ。

明治の頃アメリカから来た植物学者がアジサイに学名を付けた。そのアジサイが交配種だった。彼は交配種だとは知らなかったのではないかといわれているそうだ。
この辺が、へんてこりんな、名前の取り違いではないかと素人流に思う。

アジサイといえばお滝さん。シーボルトの日本人妻。
帰国したシーボルトはアジサイに最愛の妻、お滝さんの名「オタクサ」と付けた。ドイツ語読みだそうだ。
数年前NHKテレビで、オランダの植物園にあるシーボルトが持ち帰った植物を紹介していた。これが“オタクサ”と中年の女性のガイドが得意げに紹介していたのを思い出す。

シーボルトはドイツの医者、博物学者でもあったという。1823年長崎の出島にやってきた。特別の許可を得て出島の外に診療所兼蘭学塾、鳴滝塾を開き日本人の患者を治療し、蘭学を教え教育した。
シーボルトは患者であった美人の小滝さんに一目惚れ、お滝さんは遊女以外立ち入り禁止の出島に遊女の名を遊女屋から借り二人で住んだそうだ。娘のイネは日本初めの女医だという。
シーボルトは貴族の出、高学歴、プライドの高い人。それがお滝さんにぞっこん。だからアジサイに最愛の人の名をドイツ名として付けた。
日本の女性は優しく美しいから。
これに因んでアジサイを最愛の人に、母の日に贈る風習があるそうだ。
シーボルトを偲んで贈りたいが母はもうこの世にいない。せめて墓前にでもと思う。
シーボルトは帰国後、日本から持ち帰った植物の植物園を作った。その花の豪華さに人々はビックリしたとか。その中でも「鹿の子ユリ」は同じ重さの金と交換だったそうだ。

日本は熱帯雨林帯並みに降雨量が多い国だという。ヒマラヤ山脈で偏西風の流れが変わるからだと聞いたことがある。ヒマラヤ山脈がなければ日本も欧米や、中国の乾燥地帯と同じ運命にあったとか。偏西風、ジェット気流、貿易風などよく聞く、理解はおぼつかなく想像の範囲だが。
日本は多雨のため植物が多い。中国でヤブガラシ、アメリカの田舎ではクズの厄介者を植えていたのを見た。中国の自治区、敦煌、ウルムチ、トルファンなどのオアシスの町では雑草も生えていなかった。緑豊かな日本に生まれてよかった。

アジサイは陰気な雰囲気が微塵もない。満面の笑顔だ。
能の面はほとんどが寂しい顔、怖い顔だ。ただ一つアジサイのように満面の笑みを浮かべた面がある。「猩々」だ。
能「猩々」は祝言の曲。浮きやかな登場の囃子「下がり端」に乗って登場、終曲まで休みなく舞い通す。
身につける物は足袋以外は全て赤。赤は祝言の色。面の赤は酒に酔った顔の色。
リズム感たっぷりの「渡り拍子」の謡いは徹頭徹尾、酒の徳を謡い、その謡いに乗って舞う酔態の舞が面白い。
能の中で一番短い曲だが大事にされてきた曲。特殊演出の「乱(みだれ)」は「石橋(しゃっきょう)」とならぶ大曲。能楽師は、「乱」、「石橋」などの獅子、「道成寺」を披いて一人前となる。
能「猩々」の話は単純。「揚子江に住む猩々が正直者の親孝行男に、その徳を賞で、いくら汲んでも湧き出る酒の壺を授ける。男はこの酒を売って裕福になった」

猩々は中国の想像上の動物。河に住み人の言葉を話し酒を好む。いわば河の妖精。日本の河童のようなものだろうか。
中国では妖精の猩々も日本では散々。古典に登場する猩々は例外なく悪し様に扱われ今では大酒飲みや夏の厄介者、ショウジョウ蠅に名を残す程度。
能「猩々」で美しい妖精に仕立てた作者に頭を垂れるのみ。

能「猩々」の詳しい解説は「能曲目の解説」をご覧下さい。

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