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09.23
Tue
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テイカカカズラ キョウチクトウ科 平成26年9月21日写す 武蔵野市境南町 植栽

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ルコウソウ   ヒルガオ科    平成26年9月23日写す 武蔵野市境南町 植栽 

テイカカズラ キョウチクトウ科
きれいな花とは言い難いが魅力の或る花だ。肉厚の花弁は扇風機の羽のように捩れていても何か気品を感じる。ジャスミン、クチナシのような上品な香りを辺りにふりまく。観賞用に垣根などに植えられるのもうなずける。暖地に生える木らしい。木といったのは、昔から植物は草木、つまり草と木を区別してきた。正式には草本、木本と呼ぶらしい。テイカカズラは蔓性の木で、気根を出し他の木や岩石にくっつき這い上がる。幹の太さは10センチにもなるという。夏の花だが写真は9月中半の残り咲き。香りもほのかだった。
テイカカズラはキョウチクトウ科(夾竹桃科)だという。夾竹桃はインド原産。どうして“科”の名にしたの?テイカカズラは国産、テイカカズラ科が妥当ではないの?と言いたい。花も姿も夾竹桃にほど遠い。夾竹桃の花色はインドの色、花弁はちぢれ異国調。盛大に華やかだ。公害に強く強靱。毒がある。適量なら強心、利尿に効くとか。薬と毒は同じものという見本。素人にも分かる共通点、白い乳のような汁が出る。テイカカズラに毒があるかどうか試してないから分からない。

テイカカズラの名は鎌倉時代を代表する歌人、藤原定家にまつわる説話から付いた名。後白河天皇の皇女、式子内親王に恋をした定家が死後、その執心は葛となって内親王の墓石に絡みついた。能に「定家」がある。説話は能を元に出来たのか、説話を元に能が出来たのか分からないというが、いずれにせよ室町時代にはテイカカズラの名があった。

能「定家」は口伝、秘伝の多い、重く扱われる曲。僧の前に現れた式子内親王の霊は死して石塔となっても定家葛に縛られて苦しいと僧に訴える。僧の弔いに葛は解け、霊は感謝の舞を舞い墓石に入る。葛は再び墓石に絡みつく。耐え難い胸の圧迫が襲う結末だ。この能は「葛」がキーワード。葛は何かを象徴しているのではと考えさせられる。能は物語性、ドラマ性が薄い。人間の心の奥底に潜む本質を引きずり出すことに重きを置いているからだろう。

能「定家」の詳しい解説はホームページ「能曲目の解説」をご覧下さい。

ルコウソウ(縷紅草)
今回は余りに地味な花だったので、真っ赤な可憐な花を花に添えようと。
メキシコ原産。葉も花も小さく可愛い。細い蔓を伸ばして屋根までも這い上がる。テイカカズラのように気根がないので蔓を他の草や木に時計回りに巻きつけ這い上がる。墓石に巻き付くのは無理だが、こんな可愛い花なら巻き付いてもらいたいものだ。
外来種には興味が薄いが荻窪の友人を訪ねた帰り道、この花に出会った。初めて出会ったので多分外来種だと思ったがあまりの可愛さに種を頂いて自宅の庭にまいた。すっかり忘れていたが三年後の昨年から咲きだした。昨年は数本だったが沢山の種から今年は困る程増えた。縷紅草の縷は糸すじという意味だそうだ。命名した学者の学識に感服。
 

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09.15
Mon
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平成26年8月1日  長野県 雨飾山で写す

赤みをおびた薄紫の花が美しい。カンナの葉を、ひとまわり小さくしたような葉も、みずみずしくきれい。地方により40種ほどあるそうだが素人には判別が難しい。欧米にはギボウシの愛好者が結構いるそうだ。テレビで紹介していたが、庭いっぱい色々の品種を植え込み自慢げに説明していた。彼らはツアーを組み、日本の生育地を訪ねるそうだ。欧米には「つはぶき」や「ギボウシ」のような形の、葉の大きい花は珍しいという。
日本各地に、ちょっとした山に入ればそこいらにある。10数年前、宮崎の「えびの高原」で草丈10センチほど、花が一輪のものを見た、別種だろうか、高山だからか分からない。可愛くて、色も一際深かった。頂こうかな?と悪心が起こったが此処は国立公園。心残りは今も消えない。
東北地方ではウルイと呼び主要な山菜だ。葉柄の部分を食べる。シャキシャキとした食感がいい。葉は、もさもさして美味しくない。芽を出したばかり、葉がまだ開かない全草の天ぷらが絶品。
ギボウシは擬宝珠。つぼみの形が橋の欄干の飾り、擬宝珠に似ているから。欄干に擬宝珠の付いた木の橋は、めっきり減ってしまって公園などの飾りになってしまった。

橋の欄干といえば牛若丸。欄干の上を飛び回り弁慶と闘った。戦前生まれの人なら誰でも知っている童謡「京の五条の橋の上」の元になった話。これを作った能が「橋弁慶」。
出所は「義経記」、「御伽草子」。
牛若(源義経の幼名)が五条の橋で千人切りを働く。話は物騒だが、どこか童話風。ほのぼのとした能。生涯の主従、義経と弁慶の出会いの物語。
シテは弁慶だが子方の牛若が小太刀を健気に振るい舞台を独占する。厳めしい出で立ちの弁慶が幼い牛若に散々に翻弄される。むくつけ大男、弁慶が滑稽にさえ見える。
特殊演出「小書」に「扇之型」がある。橋がかりの欄干から舞台の弁慶目がけ扇を投げつけ弁慶が長刀で叩き落とす。なかなかの小書だ。
  詳しい解説は金剛流潤星会ホームページ「能曲目解説」をご覧下さい。
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09.06
Sat
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ヒルガオ 2014年8月30日 東小金井二枚橋で写す

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ヒルガオ 2014年9月1日 武蔵野市境南町果樹園の垣根

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サツマイモの花 2013年11月19日 石垣島白保部落で写す

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アサガオ 2014年8月30日 武蔵野市境南町 植栽

アサガオに押されて存在が薄い。それどころか畑の邪魔者だ。よくよく見ると薄い花弁に薄紅色、可愛い。思わず唇を近づけたくなる。花も葉も茎も美味しい山菜だと言うが可哀想で食べられない。同類の朝顔は熱帯アジアの原産。改良に改良を重ねて人々に愛された花。ヒルガオのボヤキがきこえるようだ。朝顔が輸入されなければ私が改良されて皆のアイドルになってたのにと。
サツマイモは江戸中期、蘭学者、青木昆陽が目黒で試験栽培して広め日本の飢餓を救った。感謝かんしゃのすぐれもの。
奄美大島、沖縄地方にサツマイモの怖い害虫がいた。サツマイモに穴をあけ卵を産む。サツマイモは苦くて食べられない。サツマイモは主要な食べ物だった。奇想天外の方法で害虫を駆除した。さてさてその方法とは?クイズにしたいところだが。害虫のオスに放射線をあて精子を受精不能にした。この害虫はヒルガオ科の植物全てに寄生する。ヒルガオ科の植物は沢山だ。人々は嘲笑った。研究者はめげなかった。数年後、効果は徐々にあらわれた。人々は驚嘆した。

さしもに可愛いヒルガオも一日花。咲くと萎むのを待つばかり。人の世の無常に似ている。サツマイモのあとで気がひけるが、人の世の無常を作った能に「江口」がある。江口の里の遊女が普賢菩薩となったという話。
江口の遊女は十人の女達と舟歌を歌いながら現れ、人の世の輪廻転生、人の世の無常、罪を重ねる、人の性の悲しさを歌う。抹香臭い題材だが、さにあらず、さながら宗教音楽を聴くように心地よい。能は詞章の意味がよく分からずとも感覚的に見てもという見本。
解脱の舞「序ノ舞」を舞い、儚いこの世に執心を残してはいけませんよと呟き白象に乗って昇天していく。遊女姿のシテが普賢菩薩に見えてくるから不思議だ。
この能の出所は、鎌倉時代の説話集「故事談」と「十訓抄」昔、姫路、書写山の性空上人は生きた菩薩を拝みたいと観世音に祈り、「江口の長」を見よという霊夢を見た。上人が江口の里を訪ねると江口の長は十人の女房と船遊びをしていた。上人が目を瞑ると江口の長は普賢菩薩となって現れた。
性空上人は平安中期の人。都で天皇、衆人の崇敬を集めたが、これが煩わしいと姫路の所写山に逃げた。書写山円行寺は上人の創建。

遊女の里は、大阪湾にそそぐ淀川と神崎川にはさまれた中洲状のところにあった。ここは淀川を、のぼり下りする水上交通の要衝。九州、瀬戸内海沿岸の人や物資を都や沿岸に運んだという。

四条畷市に兄を見舞いに行った電車の窓から、麓から山の中腹まで櫻の帯が這い上がっていた。嬉しくなって訪ねたら野崎観音だった。一条天皇の時江口の君が建てた商人の守り神だという。野崎参りは昔は盛んで麓の運河はお参りの客の屋形船で賑わった。戦前、歌にも作られ、浄瑠璃にもあるという。江口の君は人々に親しい存在だったのだろう。
 
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