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02.23
Sat
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野川公園 2019年2月8日写す。以下同じ

野川公園は調布市の北の端にある都立の公園。
三鷹市、小金井市、府中市に接している。
公園に付き物の遊びの施設はなく芝生と大きな木が生えている。
芝生は子どもや犬の運動場、カップルの語らいの場。夏の木陰は絶好の涼み場。
野川が流れていて暖かくなると子供達が小魚達と戯れる歓声が賑やか。
川沿いの遊歩道には散歩の人達やジョギングの人達の笑顔の花が咲く。
遊びの施設がなくても大人も子供も自由な発想で遊びを作り出し楽しそう。
JR中央線、武蔵境駅から西部是政線に乗り換え下車あと徒歩、合計15分程で行ける。

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ダイサギ(小白鳥と思っていたらダイサギでした)

(白い大きな水鳥は白鳥だと思っていた。無知にも程がありますね。ご指摘、感謝)


公園の中を流れる野川には四季折々、色々な水鳥がやって来る。
小白鳥が一羽で泳いでいた。もうすぐシベリヤに渡るのだろうがシベリアは数千キロの
彼方、一羽だけの旅だろうか。
“白鳥は悲しからずや水の青、海の青にも染まず漂う”若山牧水の歌だそうだ。昔、教わった。
感傷の秋は去り何事も凍りつく極寒なのに、大の男の感傷とはヘンです。
それにしても若山牧水とはどんな人だったのだろう。
旅と酒を愛したとものの本にある。「幾山河、越え去り行かば寂しさの終てなん国ぞ今日も旅行く」
昔、忘れられない友人に教わった。牧水も友人も、もうこの世にはいない。
同じ時代に種田山頭火がいた。風変わりな句に魅せられた。山頭火も友人に教わった。
能ではある人を偲んでいるとその人の亡霊が在りし日の姿で現れる。
牧水、山頭火、友人、現れて欲しいナ。旅や酒などの心を聞いてみたい。

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セツブンソウ(節分草) キンポウゲ科

野川公園の片隅に植物園があり自然に近い状態で色々な花が植えられている。
毎年、節分草が咲くのを楽しみに待ち、長い首が痛い。
節分に咲くので付いた名だというので節分に行ってみたが流石に余りの寒さに
怖気づいたのか“影も形も御座なく候”だった。
少し寒さも和らいだので若しやと思い行ってみたら咲き始めていた。
期待半々が当たるのは矢張り嬉しい。大好きな花の一つ。
セツブンソウは晩春には姿を消すスプリングエフェメラルの仲間。
儚い命を知ってか知らでか、懸命に咲く花を憐れむ心もあるのだろう。
以前は3月初め頃、秩父に見に行った。所を得てだろう、花も大きく見事だった。
御多分にもれず秩父の里も過疎が進み里山も荒れて以前は色々な花が咲いていたが
めっきり少なくなり足も遠のいた。

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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) オオバコ科

厳冬は花が極度に少ないのは当たり前だが春の兆しの花が見つかったのは感動!
ルリ色の小さい可愛い花になんとも無粋な名。物言わぬ花が可哀そう。
だれが付けたのだろう、罰当たりな奴メがといいたくなる。
天人唐草の別名がピッタリだと思うが世の人は変な名を面白がる底意地の悪い
ところがあるからこの名が定着したのだろう。
と云いながら感心するところも。実の形が似ているから付いた名だそうだ。
欧米渡来の花。日本産のイヌノフグリは欧米産のオオイヌノフグリに追いやられ
“山の彼方の空遠く”の山裾深くに行かないと見られない“幸い住む”存在だそうだ。

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ホトケノザ(仏の座)
言い得て妙、名付けギネス、トップクラス。
葉の付きかた、模様が仏像の台座に似ているからだそうだ。
葉の切れ込みや葉脈の模様が葉っぱとは思えない、まさに仏像の台座。
紫がかった紅色は人間には作れない、まさに自然の色。
春の七草だそうだ。食べてみたがお世辞にも美味いとは云えない。
昔の人は味よりも形と色を優先したのだろうか。

今の世では飾り物の様に扱われがちだが、昔の人の生活の中には、
心からの神仏が同居していた。
形あるものはホトケノザのように神様所縁の物に見えたのだろう。
能には仏教を題材にした曲が多い。
これらの能を観ていると昔の生活を実感するようだ。
絵や仏像ではなく本物の仏、生身(しょうじん)の仏さまを拝たいと懇願する
というのがめずらしくない。
お釈迦様の真似をして散々痛めつけられた奴がいた。
鎌倉中期の説話集「十訓抄」の中の説話から脚色した能「大会(だいえ)」の
主人公、愛宕山に住む天狗。

能には恐ろしい天狗や人情派の天狗、間の抜けた天狗が登場する。大会の天狗は後者。
トンビに化けて飛んでいるうちに蜘蛛の巣に引っかかっているところを子供に捕まる。
比叡山の坊さんが通りかかる。子供達は殺して羽根を取るという。
坊さんは手にしていた扇と引き換えに天狗を助ける。
神通力を持つ天狗が蜘蛛の巣に引っかかる、子供に殺されそうになる、
アイ狂言が真面目な顔で語る。思わず吹き出しそうになる。
だが十訓抄は子供向けの啓蒙書、噴き出すなんてとんでもないと思うのだが
ついつい笑ってしまう。

座禅する僧の前に山伏姿で現れた天狗、助けたお礼がしたいと云う。
出家の身にはこの世の望みはないが、お釈迦様の霊鷲山での説法の様子が見たいと僧。
少しばかり持っている神通力で望みを叶えてやろう、あれに見える杉の木の下で目を閉じて待てと言い残し天狗は消え去る。

瞑目して待つ僧。やがて厳かな仏の御声。
僧が目を開くと、辺りは霊鷲山、釈迦説法の場だった。
釈迦如来は獅子の座に、普賢菩薩は左と右に、菩薩聖衆は雲霞の如く。
僧は随喜の涙してひれ伏す。
突然帝釈天が天より下り降り、これほどの信者を誑かすとはと散々に
天狗を打ち据える。天狗は羽根もうち折られ飛ぶことも叶わず岩穴に
逃げ込む。

現代人の身には、歯切れよく痛快にエンタメ性十分の曲だが、
信心深く生身の仏様を一目でも拝みたいと乞い願った昔の人は感激に
涙して観たのかも知れない。などと思うと不信心の我が身を思い複雑の感余りある。
大会とは大法会の事だそうだ。

大会3・清宮、山田
帝釈天に散々に打擲、お仕置きされる天狗

大会」の詳しい解説はこちら

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02.16
Sat

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城ケ崎門脇灯台 2018年1月18日写す。以下同じ

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門脇つり橋

宿から近い城ケ崎海岸の遊歩道を歩いた。この辺りは国立公園だそうだ。
絶景が続いた。

伊豆高原にあるIHI という会社の健康保険組合経営の保養所に泊った。
時偶あちこちの安宿を探して泊まり歩くが、温泉などの楽しみを期待して
泊る訳ではなくその土地の四方の景色を求めるのが目的だとして
安宿を探すのが常。(本当はビンボウだから)まして会社の保養所、
期待などある訳がない。ところが驚いた。部屋は広くきれいでホテル並み、
食事も豪華、そのうえ安いのにビックリ。
IHI従業員向けの保養所だが一般の人も泊まれるというので伝を頼りに泊った。

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アロエ ユリ科

俗に“医者いらず”一時アロエブームがあった。健康には自信があったが
やはりテレビには弱い。テレビの強制的にも聞こえるアロエ効果の力説に
アロエを食べなければ明日にでも病気になるのではないかと不安に駆られ、
鉢植えを数鉢買って来て毎日食べた。
猛烈に苦かった。我慢を重ね一ケ月程は続いただろうか、あまりの苦さに
断念してしまった。我が意志の薄弱さに情けなく思ったのだろう止める
口実を考えた。
“我慢して食べたが体には特に変化はなかった。マスコミは実に無責任だ。
物事を誇大に報道し責任はうやむや。今に日本人はマスコミの餌食になる”
アロエの苦さに負け、食べるのを止めた口実にしては大袈裟だナと後で苦笑。


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ツルソバ(蔓蕎麦)タデ科

暖かい海岸近くに生える草だという。花が蕎麦の花に似ていて蔓のように
延びるので蔓蕎麦と名が付いたらしい。
暖かい地方では海からかなり離れた土手などにも生えている。 
春の若芽が美味しい。酸っぱくてスカンポのような味だがスカンポより
味が繊細で渋みが少ない。漬物にすると更に美味しい。
春の七草に入ってないのが不思議。昔の人は酸っぱいものが苦手だったのだろうか。
現代版“春の八草”にしたい!(笑)
同じ仲間のヒマラヤ山麓渡来の姫ツルソバは花がピンクで小型だがよく似ていて
可愛くてきれい。庭に植えられ石垣などに這っているのでお馴染みだが、蔓蕎麦
は植えているのを見たことがない、不思議。

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マサキ(正木) ニシキ科

ピンクの果皮が割れてミカン色の種が顔をだし可愛かった。
大袈裟だがよく目にするルネッサンス時代の絵、ビーナスの誕生を彷彿とさせる。
生け垣にヒイラギなどといっしょに植えてありよく見る木。
何の変哲もなく誰の目を引くこともない生け垣の木にこんな実がなるとは驚き。
関心がなかったのかも知れないが花も実も見たことがないような気がする。
名も知らなかった。家の近くの野川公園の係の人に教えてもらった。
海岸に生える木だったのだと始めて知った。

何かが割れて中から思い掛けないものが現れる、感動の極み。
例えば期待していなかったスイカ。割ってみたら真っ赤なジューシーな果肉。
桃太郎は桃から現れた。爺さん婆さんの驚きと嬉しそうな顔は挿絵でお馴染み。
能「殺生石」では真っ黒な溶岩が二つに割れ恐ろしい狐の妖怪が現れる。

能「殺生石」は五番目物と称する能。昔は能の会は五番立てだった。
五番立ては興行としては時間的に無理で今は能楽協会主催の式能だけになった。
一番目は天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈願する神の能
二番目は男をシテにした能。武人の活躍と死後に落ちる地獄、修羅道の苦しみを
描く能が多い。
三番目「女能」、優艶に幽玄に女を描く。能の中心に置かれる。
我が国の思想では女は中心的存在。男は破壊し女は生む。男尊女卑の思想は仏教思想。
四番目物、分類しにくい能。狂い物、怨霊物、遊狂物などがあり人の苦しみの
根源を見せるものが多い。
五番目、能会の最後に演ぜられる。痛快にエンタメ的要素の勝った能が多い。
能の二番目から四番目には人の心の深淵を主題にしたものが多い。
観る方は己の経験を増幅させて観、心の負担は大きい。
五番目は心の負担からの解放を狙って作られたかのように思える。

人間は恐怖心を娯楽にしてしまうおかしな動物。
能「殺生石」は数ある恐ろしい能の代表格。
シテの怪物はその昔、西域の王の后になり王にすすめて千人の命を取り、
死して周王の后に生まれ変わり国を滅ぼした女。
我が国に生まれ変わり鳥羽の院の后、玉藻の前となり帝の命を狙う。

後見が大きな石の作り物を舞台正面に据える。
殺された玉藻の前の執心が石となったのだ。
所は噴煙が立ち昇り巨大な噴石が立つ荒涼とした那須野ガ原。
高僧、玄翁が通りかかる。いきなり能力が騒ぎ出す。空飛ぶ鳥が落ちて来るという。
見事な舞台設定に感じ入る間もなく“その石に近寄るな”と気味わるい女の声が
彼方から聞こえ、底気味悪い美女が姿を現わす。
女は石の前で、帝の命を狙うが露見、空を飛び那須野に逃げた顛末を語る。
女の語りは居クセと云い舞は無いが気味悪さが真に迫る。
小書き「女体」では舞クセでいっそう凄さが増す。
中入りに女は石の中に身を隠す。
玄翁の必死の祈りに、いきなり大きな石が二つに割れ妖狐が現れる。
見慣れていてもド肝を抜かれる場面。女は妖狐の化身だった。
妖狐はこの那須野ガ原で朝廷の追手に殺される様子を見せる。
隙間なく型が連続し、ある時は追手の武士に又は妖狐にこの曲だけの
型を交え舞う。その過激な舞に圧倒される。
小書き「女体」では緋の長袴姿で大半の過激な型を床几に掛かって舞う。
妖狐の恐ろしさに艶やかさが加わる不思議な美しさ。

殺生石

能「殺生石」の詳しい解説はこちら



≪能を観に行きませんか?≫

葵上3
能 葵上(あおいのうえ)

東京金剛会例会
平成31年3月16日(土)午後1時30分開演
会場 国立能楽堂 お問い合わせ TEL 0422-32-2796 山田

能 東北(とうぼく) シテ 金剛永謹
平安中期を飾った歌人、和泉式部を重厚にえがいた曲、王朝絵巻、 
幽玄能の第一

能 葵上(あおいのうえ)シテ 山田純夫
女の業と悲しみを描く名作

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02.09
Sat

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大室山 1月17日写す。以下同じ

宿に早く着き所在なさに名所を聞き大室山を教えてもらった。
首を傾げ疑いながら行った。大室山などとは聞いたことがなかったから。
ビックリ、まさに“一見に如かず”だった。
国指定天然記念物だと教えられ、なるほどと幾度も首を上下。
急峻な山頂を見上げたら足がムズムズ。リフトの係員に登山道を聞いたらないという。
天然記念物だから歩いての登山禁止、見つかったら手が後ろに廻ると脅された。
仕方なくリフトで登った。

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五智如来地蔵尊

ビックリお地蔵さんに出会った。大室山の火口の縁に鎮座ましましていた。
なんと九歳の少女の安産のお礼に建てたと書いてあった。
江戸初期、足柄岩村の網元の九歳の娘が懐妊、浅間神社に安産祈願、無事安産。
お礼にとお地蔵さんを真鶴石で作り強力兄弟が大室山の山頂に背負い上げた。
お地蔵さんの顔を見ていると、ほんとに九歳で?なんどの疑いなど湧かなかった。
今では縁結び、安産祈願で人気だとか。
真鶴石は貴重な石だったのだろう、真鶴の海岸には江戸城の石垣にも使われた
石切り場の跡が今でも威容を見せている。

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イソギク(磯菊)

花ビラがないおかしな花。花ビラは色華やかに虫を誘い受粉を助けて貰うものだと
思うが、12月が花盛りのイソギク、虫は既にサナギになって冬眠中なのにこれも変。
海岸の崖に群生していたが枯れ花の中に咲き残りがあった。
静岡県から千葉県の海岸だけに咲く地域限定の珍しい花だそうだ。

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ソテツ(蘇鉄)ソテツ科

幹や葉、花、実はまるでお伽の國の木か恐竜時代の木のよう。
実は怪獣の手のような綿毛の生えたふにゃふにゃに包まれている。
日本の木とは思えないが暖かい海岸近くや南西諸島に多いそうだ。
赤い実にはデンプンが豊富に含まれているが毒も含まれている。

南西諸島、奄美大島では水に晒して毒を抜き食べる。飢餓時代の名残だろう。
奄美大島は田んぼが少なくサツマイモに頼っていた。
サツマイモ好きの害虫がいた。害虫の寄生したサツマイモは苦くて食べられない。
農薬で駆除したが駆除できなかった。
サツマイモは朝顔科、ヒルガオや浜ヒルガオなどのヒルガオ科の植物にも
寄生して駆除できなかった。
天才は必要な時に現れる。寄生虫のオスに放射線を当て生殖能力を無くした放した。
人々は笑った。島中に飛び回っている数知れぬ害虫を見て見ろと。
数年後、害虫は姿を消した。

去年のNHK大河ドラマ「しぇごドン」に奄美大島に流された西郷さんのシーンがあった。
余談だが鹿児島では“せ”を“しぇ”と発音する、“先生”は“しぇんしぇい”
奄美は昔から砂糖の産地、薩摩藩は徹底的に島民を搾取した。
西郷さんはこの島で“愛加那”と結婚した。NHKドラマで島の娘姿の女優が当時の
姿を彷彿と可愛かった。

♪かなしゃるちゅうに、なちかさや。奄美娘が芭蕉の陰で、泣いて内地のカナを
カナを偲ぶ♪“カナは恋しい人、可愛い人の意だろう。
内地は島の遠く鹿児島や大阪、などを指す。
奄美出身の音楽家の作詞だそうだ。姉が歌っていたのを聞いて目を擦ったのを思い出す。
数十年前、縁あって初めて奄美を訪ねた。苦難の歴史を耐えた人々は優しかった。

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ツワブキ(石蕗)キク科

艶々した丸い大きな葉が目を引く。欧米の人達が珍しがるそうだ。
花期が過ぎて咲き残りを見つけた。やはりきれい。
畑で栽培している蕗は葉っぱがザラザラ。艶のある蕗、艶蕗が訛った名だという。
淡泊な味の蕗とは反対にコクがあっておいしい。
ぽっちゃりの花茎にぽっちゃりの大きい花が微笑む姿はぽっちゃり美人。
今の美人は痩せる技を求めて奔走するが昔の美人は“ぽっちゃり”が必須条件だった。
高松塚古墳の美人画もぽっちゃり美人。同じ頃の人、唐の玄宗皇帝の寵妃楊貴妃も
ぽっちゃり美人だっただろう。

安碌山の乱で長安の都を離れ逃れる途中、玄宗皇帝は兵士の不満の噴出を抑え切れず
寵妃楊貴妃の処刑を命じた。
安碌山の乱は楊貴妃の身内の楊国忠が横暴を極めたのを理由に起こした反乱だった。
兵士達は貴妃の身内をことごとく殺し玄宗に貴妃の処刑を迫った。

能「楊貴妃」では玄宗への恨みは寸分も語られず白居易の長恨歌を交え玄宗と楊貴妃の
愛の日々を歌い上げる。幽玄、優艶至上の名曲。
この能に玄宗皇帝は登場しない。楊貴妃を失った悲しみはワキの方士が語る。
方士は神仙の術を使う者で冥界も出入り自在。
貴妃の魂の在処を尋ねるよう玄宗に命じられた方士は蓬莱宮に貴妃の魂を訊ね当てる。
ワキの蓬莱宮への旅の様子の道行の謡、アイ狂言の蓬莱の者との問答を聞いて行くうちにいかな無信心でも神仙が住む蓬莱山の住人になってしまい、貴妃の麗姿を目の当たりに見て、貴妃の嘆き、玄宗との思い出を語る姿が真に迫ってくる。
生きている者、誰しもが行った事もない冥界に展開するドラマは途轍もなく壮大、
感動も桁違い。

楊貴妃
玄宗皇帝との愛の日々の思い出を語り、訪ねた証拠の簪を方士に与える楊貴妃

能「楊貴妃」の詳しい解説はこちら

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02.02
Sat
冬、戸外で咲く花は極々少ない。我が家のネズミの額は見るも哀れな有様。
♪庭の千草も、虫の音も枯れて寂しくなりにけり♪
そのいにしえ、姉が歌っていた唱歌を思い出す。
能「葵上」で「昨日の花は今日の夢と」と謡う。人の世の無常の例えらしいが
夢の在りし日の花の甦りを試みた。昔は写真などというものが無かったから
全くの夢だっただろうが今の世は映像が残せる。
然しこれも唯の映像で実物ではなく夢に変わりはない。

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モミジアオイ(紅葉葵)アオイ科 2018年7月30日写す

燃えるような赤い色に魅せられて頂いた。数十年咲いている。
頂いた自称、花爺はゴジカで午時花と書くと云った。名前が気に入ったと云った。
正午の燃える太陽と競うように咲くというのが名の由来だと云った。
どうもゴジカではないようだが自信たっぷりの顔が浮かぶので聞く人には
ゴジカだと答えている。別に詐欺を働いているわけではないし、爺さんの
顔を立てずにはいられないから。

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タカサゴユリ(高砂百合)和歌山県産 2018年8月6日写す

5,6年前、お伊勢参りを敢行した。敢行というのは穏やかではないが、
お伊勢参りは日本人の義務であるし寿命が延びるとお伊勢さん信奉者
でもある親しい先輩から勧められていた。暇ができるとどうしても足は
大好きな東北に向いてしまう。しきりの先輩の勧告に思い切って敢行した。
行ってよかった。いい処だった。景色はいいし、イセエビの刺身まで食べられた。
意外にも東北並みの安宿があったのは有難かった。
ついでに能によく登場する熊野三山にお参りした。伊勢神宮に近いと信じていた。
全くの大外れでとんでもなく遠かった。伊勢神宮は三重県、熊野は和歌山県だと
笑われた。熊野本宮近くの温泉宿に泊まった。昔、三熊野行幸の宿所だった
らしいが今は寂びれていた。宿近くでユリを発見、お目当てのササユリに違いない
と頂いて来た。過酷な条件にも耐え活着、花が咲いてビックリ、タカサゴユリだった。
悔しいが引っこ抜かないでいる。想い出だから。

高砂百合は鉄砲ユリに似ていてきれいだが、外来種で種でもはびこり在来種を追い払う
嫌われ者。駆除を奨励されている哀れな奴。
ササユリ(笹百合)は関西から西に咲くユリで自然のものは見たことがない
憧れの花。6月17日奈良、率川神社(いさかわじんじゃ)祭礼で4人の巫女が
頭に挿し、手にして舞うというゆかしい百合。

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ユウスゲ(夕菅) ユリ科 岐阜県産 

ヒノキを植えるために掘り返して今にも枯れそうだった。
多分、日光キスゲだろう珍しくもないが可哀そうだから持ち帰って
植えて置いた。ユウスゲだった。野草は強い、生き返って毎年花を咲かせる。
ユウスゲは夕方開花する不思議な花。
昔、夕菅は蝶々に失恋してその恨みに蝶々が活躍する昼間は咲かないのでは
ないだろうかと冗談を言ったら下手な冗談と馬鹿にされた(笑)。

里の土手などに咲くノカンゾウ、ヤブカンゾウ、海岸のハマカンゾウ、
山に咲く日光キスゲ、ユウスゲなどよく似ている。
花も若芽も美味しく味も似ている。花は酢の物がきれいで美味しい。
若芽は、おひたし、和え物、天ぷらが絶品。

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ギボウシ(擬宝珠)ユリ科 長野県産 2018年8月7日写す

かなり以前、盆栽に凝ったことがあった。木の盆栽は手を入れて形を作る。
センスが不可欠だ。我がセンスの無さに絶望、止めってしまった。
今は野山の草花を鉢植えにしている。植えっぱなしで手は入れない。
下手に手を入れると枯れてしまう。
自然、放任植栽だが味な姿を見せることがある。山に行くと珍しくもない花だが
貴婦人の姿に変身する。

東北ではウルイと呼ぶ主要な山菜。クセがなくアクもなくぬめりがあり美味しい。
ギボウシの名の由来は蕾が橋の欄干の擬宝珠に似ているからだそうだ。
開いた花も優雅で美しい。

源義経と武蔵坊弁慶が主従の契りを結んだのも擬宝珠に飾られた欄干が縁だった。
義経の一代記「義経記」、童話集風の「御伽草紙」をもとに作られた能「橋弁慶」
が面白い。
幼時の義経の名は牛若丸。化生のように神変奇特な牛若は夜更け京の五条の橋に出没、
欄干を駆け回り飛び回り、つわ者共を襲うという。
天下の豪傑、弁慶がこれを聞いて退治しようと五条の橋に行く。
少女に変装にて獲物を待つ牛若が可愛い。
弁慶は少女と思い込み心を許し通り過ぎる。いきなり牛若は弁慶の長刀を蹴上げ
挑発する。ビックリの弁慶の仕草に思わず吹き出してしまう。
牛若は子方が演ずるが、シテ弁慶と互角の活躍。
牛若は千人切りの殺人犯だがやはり判官贔屓、牛若に声援を送る。
子方牛若の奮闘がかわいいのだ。
能にもこうした童話風の、大人も子供も楽しめる能がある。

橋弁慶
“裾を払えば、躍り上がって足もためず、宙を払えば頭を地につけ、
千々に戦う大長刀” 弁慶の牛若の激闘

能「橋弁慶」の詳しい解説はこちら

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