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04.08
Sat
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都立農高農場 2016年3月20日写す。以下同じ

府中市にある都立農業高校の実習農場。深大寺や都立神代植物園に程近い。深い谷になっていてマスの養殖施設、ワサビ田、小さな田んぼがある。青年学校の射撃訓練場だったそうだから昔は人里離れた処だったのだろう。車の騒音も聞こえず静かこの上もない。
公開日には生徒たちが園内を案内してくれる。
訪ねたお目当てはカタクリ。カタクリは桜と申し合わせたように同じ頃に咲く。今年は開花宣言の直後寒く桜はちじこまったまま。期待半ばで訪ねた。満開だった。

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カタクリ ユリ科

カタクリは万葉の昔から愛されてきた花。古名は堅香子(カタカゴ)「もののふの、八十娘子(やそおとめ)らが汲みまごう寺井の上の堅香子の花」大伴家持の歌だそうだ。家持が富山県の高岡に赴任した時の歌だという。水汲みに集まった少女たちの賑やかな笑い声が聞こえてくるようだ。少年の頃、初老の国語の先生に教わった。目を閉じ上を向き口すさんだ姿が忘れられない。カタクリは北陸、東北に特に多いと聞く。
少々かたいが優しい食感、クセがなく美味しい山菜。昔は球根から片栗粉を取った。片栗粉は今ではジャガイモのデンプン。まがい物だが片栗粉と詐称しても(笑)罰せられることはない。

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モミジイチゴ バラ科

通称“きいちご”六月梅雨の頃、黄色い実が熟する。美味しさは栽培種のイチゴに負けない。枝にトゲがあって人を拒む。めげずに挑戦する甲斐がある美味しさだ。だが強引に枝を揺するとバラバラと落ちてしまう。

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アマナ ユリ科

別名ムギグワイ。地中の根、鱗茎が正月に食べるクワイに似ているからという。食料難の頃、掘って食べたのだろう。鱗茎も美味しいが葉っぱもクセがなく美味しい。

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ウグイスカグラ スイカズラ科

鶯神楽と書く変わった名。枝にとまった鶯と揺れる花が神楽を舞っているようにみえるというのだろうか。里山の花が好きな友人がいた。友人にこの花を「鶯の神楽の舞」と教えられた。変わった性格で些細なことで気まずくなり共に里山を歩くこともなくなった。
神楽は神を祀る舞楽。神社によって色々な神楽があるようだ。
能にも神楽がある。能「三輪」「龍田」「巻絹」など。三輪、龍田はご神体が神楽を舞い、巻絹は神が乗り移った巫女が舞う。特に巻絹の神楽は重い習い事のある神楽だ。

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神が乗り移った巫女。神楽を舞い神託を述べつつ狂おしく舞う。

三熊野に勅命の巻絹を納める使いの者が音無の天神に立ち寄り心中の願いを祈願する。
男は梅の香を聞いて感じ、心の中で歌を詠む「音無にかつ咲き初むる梅の花、匂はざりせば誰か知るべき」男は刻限に遅参する。勅使は男を遅参の廉で縛り上げる。やがて音無天神の巫女が現れる。巫女は既に天神が乗り移っていた。男は音無天神に参詣して歌を詠み遅参したのだ、縄を解けという。勅使は卑しい男が歌など詠む筈がないと疑う。和歌は当時、知識階級の人達の専有物。巫女は男に歌の上の句を復誦させ、下の句を巫女自ら続け勅使を納得させ男を救う。
神憑きの巫女は毅然と和歌の徳を語り仏教の説話を語り祝詞を奏上する。やがて熊野全山の神々も巫女に乗り移り、神託を述べつつ御幣を打ち振り狂おしく舞うが、突如神々は巫女から去り巫女は本性にかえる。巫女は手にした御幣を肩越しに放る。神が離れたことを示す象徴的な能独特の表現法だ。
神楽は総神楽といい常の神楽を変えた特殊演式となる。憑き物の能は数あるが精神的に日本国の中心であった三熊野が舞台故か、不思議な雰囲気を醸す能。重く扱われる名曲でもある。
神道の巫女が仏教を語る、現代人には理解し難いが、昔は本地垂迹、神仏習合だった。熊野は吉野との交流で生まれた神仏混淆の山伏発祥の地でもあったという。
  能「巻絹」の詳しい解説はこちら

能「巻絹」の公演があります。
時 四月十五日(日) 会場 横浜能楽堂
お問い合わせ
金剛流横浜能の会事務局
〒249-0004 逗子市沼間3-12-9 
TEL FAX 046-873-8224 E-Mail zushi.kumagai@nifty .ne.jp
横浜能楽堂
TEL 045-263-3055

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