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04.22
Sat
節分草
節分草 キンポウゲ科 
写真 USB青 3月30日 節分草 秩父
セツブンソウ キンポウゲ科 2017年3月30日写す

林の中など日陰に生え石灰岩地帯を好むという。
派手な花を咲かせるキンポウゲ科のなかで、楚々と可憐な姿が魅力的だ。10数センチほどの花茎の頂上に1センチほどの花を1個咲かせる。花の下の、切れ込みの深い葉が2枚リング状に茎を抱き、まるでフリルかネックレスのよう。貴婦人の装いだ。
この花に憧れる人は多く寒さの中も厭わず山の中を駆け回り探す。しかし堀り取るのはたいへん。地中深く大豆ほどの小さな塊茎から木綿糸のような細い茎を伸ばす。堀りあげる途中切れてしまったらもう見つからない。掘り取りたい気持ちはわかるが写真に納める程度にしておこう。花が早春節分の頃咲くので節分草。
エフェメラルプラント(短命植物)の仲間。儚い命の植物という意味だそうだ。初夏、他の草の葉が茂り出すと葉も花茎も枯れ土の中の塊茎が来年の早春を待つ。
「能」にも運命や命の儚さをカゲロウや水の泡、露に例えられる人たちが多く登場する。中でも「藤戸」の主人公は深刻だ。

EPSON966.jpg
「氷の如くなる刀を抜いて胸のあたりを刺し通し刺し通さるれば」刺し殺される場面を再現して見せる漁師の霊。

「藤戸」は源平の戦いに巻き込まれて殺された若い漁師の物語。典拠は平家物語。
「源氏方は藤戸(岡山県倉敷市)に平家は児島に陣を張ったが間の水路が深く源氏方は攻められなかった。先陣をもくろむ佐々木盛綱は所の漁師から馬で渡れる浅瀬を聞き出すがこの漁師がまた他の人に教えるのではと漁師を殺す」前場と後場があり前場では殺された男の母親の嘆きを描く。母親は支配者となった盛綱に「我が子返させ給えや」と迫る。母故の気迫が圧巻だ。加害者である盛綱はこうなったのも「前世の因縁だ」と母親を説得する。今の世の我々には理解できないが当時の宗教観だった。宗教は人間の本能をも制限する。
後場は殺された男が幽鬼となって現れ「泡沫の哀れに消えし露の身の」と述懐し殺された場面を再現して見せる。竹の杖を刀に擬し刺し殺す場面は能の表現形式の極限に迫る迫力。
竹の刀がギラリと光るかのように見え恐怖を誘う。人間とは何?など考えさせられる名作。 
能「藤戸」の詳しい解説はこちら
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