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11.18
Sat
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五合目から見上げた富士山。山頂は見えなかった。
2017年11月10日写す。以下同じ

富士山は既に薄化粧だった。下界は晩秋でもここは既に初冬。
11月1日で閉山だとあった。
せめて六合目くらいまでは行きたかったが。
五合目の土産物屋の奥に恨みのバリケード、それも頑丈な。侵入不可能。
夏に訪ねた時は色々な花が咲いていた。亜高山、高山帯のガレ場にも
色々な花が咲いていて意外だった。
一合目辺りで咲き残りを探したが全く見つからなかった。

“富士は日本一の山♪”標高3776m、アメリカ独立宣言1776年と下三桁が同じ。
十二支一廻り+1、1789年フランス革命。
必死に覚えた少年の頃が懐かしい。

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ナナカマドの実(七竈)

竈を知らない人は多い。今の世には縁遠いから当たり前。
かなり古いが、カマドで焚いたご飯が売り物のスキー場民宿に泊まった。
成程、なるほどと頷き何杯もお代わりした。
早朝パチバチとカマドで焚く薪のはぜる音が寝室まで聞こえた。
夢の世界にいる様だった。
ナナカマドは七回カマドで燃やしてもしぶとく燃え残るそうだ。

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ヤマモミジ(山紅葉)カエデ科

二合目辺りで撮った。4、5合目にはカエデはないのか既に散ったのか
見つからなかった。
「金色のちいさき鳥の形して銀杏ちるなり夕日の丘に」昔教わった与謝野晶子の
歌が口を付いた。やはり紅葉といえば、カエデとイチョウが浮かぶ。
「くれないの(紅)、おさなご(幼子)の手の形して、紅葉ちるなり富士の麓に」
とふざけた。
“ぱっと開いた赤ちゃんのお手てのように可愛いナ」、童謡が浮かんだから。

「時雨を急ぐ紅葉狩り、時雨を急ぐ紅葉狩り、深き山路を訊ねん」
能「紅葉狩」の次第。
続くサシ、下歌、上歌は昭和天皇皇后の愛唱歌だったと聞いた事がある。
「紅葉狩」は五番目、鬼の能。平維茂の命を狙う戸隠山の鬼の物語。
美しい上臈に化けた鬼たちが戸隠の山中に幕を張り紅葉狩りの宴を設け、
鹿狩りに向かう維茂を待ち構えて篭絡する。昔も今も男は美女に弱い。
満山の紅葉や、宴の模様を謡う詞章が美しく、鬼の能とは思えない。
堅物の維茂も美しい上臈の舞に杯を重ね酔い伏してしまう。
何とも美しい舞台が展開する。
後場は鬼と武士の闘争。人には闘争本能があるのか全身が躍ってしまう。
アッと驚く型がある。“仏倒れ”。
八幡大明神に頂いた剣を振りかざす維茂の勢いに恐れた鬼は、岩によじ登り
逃げようとする。維茂が引き下ろす。
枯れ木が倒れるように直立のまま倒れる、危険きわまりない型だ。
脳震とう覚悟で挑む。


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フジアザミ(富士薊)キク科

たいがいの草や木は花が終わると形を変えた実になる。
アザミの花は、形はそのまま、美しかった花色は無残に失せて枯れ残り、
花の遺骸が種を抱く。
世の習いとは言いながら滅びゆく者の無惨、哀れにしみじみと感を催す。
無惨の能がある「砧」

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「悲しみの声、虫の音、ほろほろ、はらはら、いずれ砧の音やらん」

訴訟で京に上り、三年も帰らない夫を恋々と待つ妻。
中国の故事を思い出す。異民族に囚われた夫を案じ妻は子と共に高楼に登り
砧を打つ。妻と子の心は砧の音に乗り遥かの夫に届く。
折しも都の方に北風が吹く。故事のように、都に届けと妻は砧を打つ。
「砧の音夜嵐、悲しみの声、虫の音、ほろほろ、はらはら、いずれ砧の音やらん」
卓抜の詞章、緩急に想いを込める見事な作曲。
帰郷の期限に夫は帰らないと知らせが届く。妻は失意の内に病を得、冥土へ赴く。
夫は妻の死を「無慙やな三年過ぎぬる事を怨み引き別れにし妻琴の」と悔恨する。
   
能「紅葉狩り」の詳しい解説はこちら、「」はこちら

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