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12.23
Sat
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快適な登山道 2017年11月25日写す

御岳山からJR青梅線の鳩ノ巣駅へのコースを下りた。
深い山のルートは面白そうで、気になっていた。
途中までは快適な下りだった。途中、登山道の修復工事で回り道を指示された。
これがトンデモない迂回路だった。見上げる程のアップ、見下ろす程のダウン。
カナダの若者グループが最初のピークで追いついて来た。
なんと自転車を担いでいた。三番目のピークで彼らを待ったが現れなかった。
さすが自転車担いでは若く体力抜群のカナダの大男も参ったのだろう。

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ミヤマシキミ(実) ミカン科

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ミヤマシキミ(蕾)

花の全くない薄暗い大木の木陰に艶やかな赤い実が一段と引き立った。
蕾の木もあった。花は春咲くそうだが早々と蕾をつけていた。
実はつけていなかったから雄花かも知れない。雌雄異株だというから。
樒(シキミ)に似ているのが名の由来らしいが、縁も所縁もないらしい。

シキミは仏前にお供えするのでよく知られている。お寺などに植えられている。
実の形、香が中華料理の香辛料“八角”にそっくり、だが猛毒だそうだ。
かなり古いが、お寺で実を拾い天日に干した。いい香りだった。
物知りの友人に自慢したら、猛毒だと脅され散々馬鹿にされた。


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全山の紅葉 
全山の紅葉と云いたいが杉やヒノキが一部占領していた。
だが紅葉の引き立て役でもあった。

二次大戦後、町は焼け野原だった。家を建てるのに木材が足りない。
植林を奨励した。こんな山奥にまで杉やヒノキを植えた。
その後外材が安く植えたヒノキや杉は手入れもなしの放っぱらかし。
花粉症が蔓延、杉やヒノキのない北海道に避難する人まで現れたと聞く。

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鳩ノ巣駅前の橋から見下ろす鳩ノ巣渓谷。

渓谷の紅葉はきれいだ。淀みに影を写しきれいだった、が散り始めていた。
ほどなく枯れ枝となるだろう。しばらく見入った。

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「出で入る姿も生死の道を」
生死に輪廻する人の苦しみを鳥居に出入りする人に例えて見せ、我が身の迷い見せる御息所の霊

「花に馴れ来し野の宮の、花に馴れ来るし野の宮の。秋より後は如何ならん」
“華やかな日々を送った身だったがこのように零落した後はどうなるのだろう”
の意だろうか。能「野宮」の次第。
シテ六条御息所が静かに登場して謡う。
抑えて呟くように謡うこの句を聞いていると、この曲の内容が脳裏に浮かぶ。
流れて行く落ち葉たちに謡ってやった。
綺麗な姿で流れて行くがいずれ川底の垢となるだろう。
能「野宮」は源氏物語「榊の巻」に拠った世阿弥の名作。

源氏物語には可哀そうな女性が数々登場する。中でも六条御息所がことに哀れだ。
御息所は皇太子妃だった。皇太子没後、光源氏と結ばれる。
皇太子妃としての自尊心とそのうえ強烈な性格の持主であった。
嫉妬心が強く自尊心で抑えても生霊は勝手に体から抜け出し恋敵の、
源氏の正妻、葵上や恋人たちを襲う。
自分の性格に絶望感を覚えた御息所は源氏との恋を諦め、
伊勢神宮の斎宮に選ばれた娘に付き添い伊勢に下る。

御息所は伊勢に下る前、潔斎のため野々宮の仮宮に籠る娘に付き添い野宮に赴く。
「秋の花みな衰えて、虫の声も枯れがれに松吹く風の響きまでも、淋しき道すがら、
秋の悲しみも果てなし」我が身の果ての心の風景をこう謡う。

源氏はこの野宮を訪ね伊勢下向を断念するよう説得する。
源氏が野宮に御息所を訪ねたその日、長月七日が御息所の執心の日となる。
御息所の霊はこの日、この野宮に蘇る。
源氏物語の原文を織り交ぜ、美しい詞章、音律で情緒豊かに謳いあげる
クセが絶品だ。

後場では狂乱にも似た「車争い」を見せ、六道に輪廻し生死する人を
伊勢神宮の鳥居に出入りする人に例えた象徴的な珍しい型を見せる。
「また車に、うち乗りて火宅の門を出でぬらん、火宅のかどを」
また車に乗って出て行ったが迷いの世界から抜け出し成仏したのだろうか、
と留め、この世に残す御息所の執心の深さと、激しい性格から生じた業の悲しみを
情緒深く描く。

能「野宮」の詳しい解説はこちら


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