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03.10
Sat
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菜の花(アブラナ科) 2018年2月16日 伊豆下加茂にて写す

2月15日、河津桜を見に行った。毎年この頃が見ごろなので、
信じて疑わず調べもしないで行った。
今年は異常な寒さ続きで二週間遅れ、蕾も固いものが多く早いものでも二分咲き程度だった。
桜がだめなら菜の花をと花見の序でにいつも立ち寄る田んぼに
行ってみたが菜の花も例外ではなく二週間遅れだった。
コンクリートで固められた小川だけが目立った。
♪春の小川はさらさら行くよ、エビやメダカやコブナはこれでは
住めないよ♪とやけくそに歌ってやった。

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満開の菜の花 アブラナ科
昨年2月16日同じ田んぼで写す

かなりの面積の菜の花の田んぼだが鑑賞用だそうだ。
近くの下賀茂温泉の下を流れる二条川の川岸に植えられた桜と
同じに客呼びに植えているのだろうか。
菜の花は、昔は種から菜種油をとった。今はほとんど菜種油は輸入だという。

花がまだ開かない蕾の菜の花は美味しい。
辛し和えが絶品。ほろ苦味に春の味が満ちる。
去年の菜の花は満開で食べられそうなのはなかったが、
今年は美味しそうな蕾が沢山だった。思わず手が出そうになった。
花泥棒は泥棒ではないと昔から言われていると聞いている。
だが動機がよくない。
眺めるためだったら泥棒ではないだろうが食べるためはどうだろうかと
迷った末止めた。
綺麗な花にはついつい手が出るのは人の常だが、能「泰山府君(たいさんぷくん)」ではなんと天人が爛漫の桜の枝を盗む。
盗みは偸盗、仏戒十悪の一つだが能「泰山府君」は偸盗が主題ではない。
花泥棒の天女と閻魔大王の子、泰山府君という奇想天外なキャラクターを登場させ
爛漫の春を現出させる一天の曇りもない楽しい能。
前場に桜の枝を懐に抱いて隠し、天に逃げ登るという珍しい型もあり
妖艶なほどの天女の姿が美しく爛漫の春を呼ぶ。
後場の泰山府君の活躍は地獄の王、閻魔大王の息子の威厳を見せるが
恐ろしさは春風駘蕩の長閑けさ、おおらかさに変わる。

泰山府君
花を盗み抱いて天上を目指す天人

桜の花好きの桜町中納言は桜の花が七日間の命であることを惜しみ
ものの命を司る神、泰山府君に花の命を延べる祈願の祭りを行う。
爛漫の花盛り、地上に降り立った天女はあまりの美しさに一枝手折り
天上に持ち去る。
通力で花盗人が天女であることを知った泰山府君は天上から天女を
呼び寄せ花の枝を元の木に返させて接ぎ、風雨から花を護り花の命を
二十一日の間延ばす。

この能には他の能にはない工夫があるように思える。
前場で、如何にして花を護るかと述べるワキ桜町中納言と、
如何にして桜を盗むかと思案を述べる天女の言葉は問答形式だが
中納言と天女のそれぞれの独白になっている。
中納言は地上の人、天人は天上の人と印象づけさせられる。
天女は前場のシテ、後場ではツレになる。シテ至上主義の観点からは
奇異に思えるかもしれないが演劇として見れば不自然は感じない

能「泰山府君」の詳しい解説はこちら

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