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04.22
Sun

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JR保津峡駅 2018年3月30日写す。以下同じ

京都駅から20分程の近場に急峻な深い渓谷があるとはとビックリ。
しかも無人駅、駅前は疎か辺りに人家も人影もなかった。
ホームの下は目も眩む渓谷。
どうしてこんな処に駅があるのだろうと不思議だった。

ここを訪ねたのには訳がある。
西日本以西に咲くというユキワリイチゲが目的だった。
図鑑の撮影場所が保津峡だったから。
山道を五時間歩き探したが見つからなかった。

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シハイスミレ?(紫背菫)スミレ科

保津峡駅近くの渓谷の斜面を這い廻ったが珍しい花はなかった。
急斜面の渓谷は四つん這いでないと危なかった。
不格好な情けない姿を見て笑っているようにシハイスミレが咲いていた。
西日本に咲くスミレで珍しくはないらしいが、
初めて出会ったので嬉しかった。
ユキワリイチゲには会えなかったがこれで満足とした。

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ユキヤナギ(雪柳)バラ科

生け垣に植えられていて見慣れた花。
渓谷の岩壁に咲いていた。
過酷な環境に必死に咲いているようだった。
町の生け垣の雪柳とは同じ花とは思えない程、
厳しい環境に花も姿もきれいだった。

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保津川の急流、ゴツゴツの岩をすり抜け下る小船

保津川下りは京都観光の目玉の一つ。
両岸には満開の山桜、天気は上々。
このところの夏日で客の数はウナギ上り、舟は急流の岩を避け、くねくねと
ウナギ下り、スリル満点、ひやりドキリ毎だろう客の嬌声が聞こえた。
船頭は男三人だった。
能「玉葛」では初瀬川の急流を女が一人で下ってくる。

玉葛-修

玉葛は源氏物語「玉葛の巻」に登場する美女。
母は儚く短い生涯を閉じた薄幸の女、夕顔。
母に死に別れ、乳母の夫の赴任先、肥後の國で成人する。
美貌故に土地の権力者に言い寄られ身の危険を感じ早船で脱出、
難所の響きの灘の恐怖は玉葛の生涯のしこりの一つになった。
玉葛の母夕顔の侍女右近は玉鬘との再会祈願に初瀬寺(長谷寺)にお参りする。
玉葛は母との再会祈願に初瀬寺に参詣、同じ宿に投宿し玉葛、右近は邂逅する。
生涯忘れられない奇縁であった。

前場で玉葛は小舟に乗って初瀬川の激流を下る様で現れる。
さながら響の灘の難渋を見せているようだ。
初瀬寺の宿で母の侍女との衝撃的な邂逅を語り、クセで響の灘の恐怖を語る。
この二つが前場の主題となっている。
後場の玉鬘は狂乱の姿で現れる。
何故の狂乱であるかは明確に語られない。
玉葛に懸想した人々、玉葛には養父でもあった光源氏、柏木の歌、蛍兵部卿のことなどが
語られる。狂乱の種は何であろうか、詮索するのもまた能の面白さでもあろう。
秘すれば花という言葉がある。能作者の言だそうだ。

     能「玉葛」の詳しい解説はこちら

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