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06.23
Sat
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是政大橋 2018年5月26日うつす。以下同じ

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河川敷のサッカー、野球グランド

ボ~となった頭の洗浄に家から程近い多摩川に行く。時たまに。
JR中央線、武蔵境駅から西武是政線で15分程と近い。
是政橋は羽田の河口から32k地点、多摩川を跨ぐ府中街道の巨大な橋。
多摩川の河川敷は人丈を越す雑草が生い茂り柳、桑、クルミの大木が
我が物顔に根を張っていて、木陰には住所不定と称する人達の
別荘も建っている。雄大な多摩川に脱帽。
処々にサッカーや野球などのグランドもある。

土手から河川敷を眺めたら夏草が生い茂り花など咲いていそうにもなかった。
ためらうこと数分、意を決して気持ち悪い雑草を掻き分け掻き分け。
雑草の中に、けなげに咲くきれいな花を見つけた。
寄せた眉がぱっとひらいた。
外国渡来の花達だった。花でさえも外国は強い!
以前から不思議に思っていたが、多摩川には外国から不法侵入の
植物が我が物顔にはびこっている。それも沢山の種類がある。
どうして多摩川にはびこっているのだろうと不思議で仕方がない。

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ポピー(ヒナゲシ、雛芥子)ケシ科

釣りの人の踏み跡の傍らに咲いていた。 生い茂るカヤ類の雑草の中に
ポツリと真っ赤な花、目を疑った。全く場所違いの中に咲いていた。
ポピーには色々な種類があるそうだが名前は分からない。
どこかの公園に咲いていたのを見た記憶がある。
麻薬のアヘンを採るケシの仲間だそうだ。
ヨーロッパ、西アジアなど外国の原産だそうだ。

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ヤナギハナガサ(柳花笠)クマツヅラ科

花の咲く形が花笠、葉が柳の葉に似ているからだという。
南アメリカ原産だそうだ。
何とも可愛い名。名付けた学者はやさし人に違いない。
花の名から南アメリカのイメージが湧いてこない。
半裸に近い格好で腰を振り振り華やかに踊るリオのカーニバル、
あのリオに咲いているとは思えない地味ながら優雅な雰囲気の花。

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コゴメバオトギリ(小米葉弟切)オトギリソウ科

ヨーロッパ原産。日本産のオトギリソウに花は似ているが葉っぱが
米粒のように小さい。
弟切とは物騒な名。オトギリソウは薬草。
昔話に、秘密にしていた薬草のオトギリソウを弟が人に教えた。
怒った兄が弟を斬ってしまったと云う伝説から付いた名だそうだ。
平安時代の伝説だそうな。

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キンケイギク(金鶏菊)キク科

真っ黄色のきれいな花。やったー!と写真に収めて帰ったら、
台所に全く同じ花が生けてあった。道端で摘んで来たという。
野川公園事務所に飛んで行って、教えてもらった。
北アメリカ原産で繁殖が強く日本の花を追い出すので栽培禁止だそうだ。
話を聞いているうちに思い出した。中央高速の土手にはびこっている。

やっかい者の花になんと立派な名を付けたものだ。
公園事務の人に金鶏菊の名の由来を聞いたが分からないそうだ。
金鶏は天上に住む想像上の鶏、平泉に金鶏山という山があったのを思い出した。
麓に温泉宿があった。東北の古い湯治場の雰囲気の宿だった。
日本各地に金鶏伝説があるというが話の内容は聞いたことがない。
能「俊寛」では薩南諸島の硫黄島に流された俊寛が「金鶏夜宿す不萌の枝」
と謡う。当時は地の果てであったこの島にも金鶏伝説があったのかも知れない。

俊寛は「天性不信第一の人にて是を用いず」と平家物語にあるという。
かなり性格のきつい人だったのだろう。
一緒に流された平康頼、藤原成経は信心深く流刑地に三熊野を勧請して帰国を祈る。
熊野詣の二人の帰りを俊寛は道迎えだと云い、酒を持参して待つ。
最果ての島にあるはずもない酒は水だった。
僧でありながら不信心の俊寛の二人への揶揄だったのだ。
「もとこれ薬の水なれば、れい酒(美酒)にてなどなかるべき」と俊寛。
三人は水の酒を飲む。俊寛が二人の酌に立つ。折しも秋、散る木の葉を
手に受け杯に似ると見つめる。
さすがの俊寛にも都での栄華の思い出が沸々と湧き上がる。
木の葉を受ける僅かな所作に万感がこもる。

剛愎片意地の俊寛に更なる悲劇が襲う。
清盛の娘、高倉天皇妃、徳子の安産祈願のため特赦が行われ赦免使が
島に着く。
赦免状には康頼、成経二人の名だけ、俊寛の名はなかった。
俊寛は繰り返し繰り返し赦免状を読む。
包み紙ではと裏返してみる。俊寛の名はない。

「幼き者の乳母や母などを慕うように足摺りして是乗せて行け具して行け」
と平家物語。
自尊心も恥じも外聞も心中の全てを放り捨て泣き叫び艫綱に取り付く俊寛。
「船人艫綱押し切って船を深みに押し出す」
船影は波の彼方に消え手を上げ茫然と沖の一点を見つめ立ち尽くす俊寛。

能「俊寛」は“舞の型”の片鱗もない。
僅かな動きと限られた所作と謡で、脆弱な人の心を徹底的に抉り出して見せる。
感動の波のうねりは大きい。
俊寛36歳、この島で生涯を閉じた。

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艫綱に縋りつく俊寛

能「俊寛」の詳しい解説はこちら

      

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