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07.21
Sat
我が家の庭は猫の額に例えては猫に失礼。ネズミの額に近い。
以前住んでいた人が大谷石の塀を回らしていたが、日当たりや風通し、
少しでも沢山花を植えたいと撤去した。
色々な人がモッタイナイと云ったが大谷石より花の方がきれいだからと答えた。
泥棒は怖くない?という人もいる。
我が家を訪れた泥棒氏、きっと気の毒がって金一封置いていくかも知れない
と答えることにしている。我が家には泥棒氏の期待に添うべきものがないから。

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カトレア ラン科 2018年 7月5日写す。

花の女王と云われるそうだ。これほど派手な花は少ない。
十数年前、北松戸駅前の街角で農家のおじさんがリヤカーで売っていた。
多分カトレア栽培を断念したのかもしれない。その姿にほだされて買った。
東京ドームのラン展で買ったカトレアは冬を越せなかった。
おじさんのカトレアは原種に近いのか十数年咲続けている。
外国由来種や園芸種は興味がないと云いながら例外が二、三ある。
不審されたら、きれいな物はきれいだから仕方がないと
開き直ることにしている。
花が終わり、用なしになった花の残骸を知らない人が鉢ごと、
猫の額に置き去りにしたのもある。

イギリスの花好きの貴族が南米から花を取り寄せた、
その花を包んだ苔の中から偶然に発芽した。
カトレアの名はその貴族の名に由来するという。
偶然は仏教では偶然ではない、因果応報。
然るべき理由があってカトレアはイギリスの貴族の元に届き
我が家のネズミの額に届いたと信じている(下手な冗談)
能には因果応報によって苦しむ人たちを描いた作品が少なくない。
「善知鳥(うとう)」や「鵜飼(うかい)」「求塚(もとめずか)」などがある。

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ゲッカビジン(月下美人)サボテン科 2018年7月9日写す

これも外来の花。剪定で捨ててあった葉っぱを拾って来て植えた。
萎びていて駄目だろうと思っていたが根付いた。
さすがサボテン科、乾きに強い。
白鳥の羽根のような純白の花弁を重ね、不思議な雰囲気を放つ花。
夜咲く不思議。名も不思議。
昭和天皇が名付け親。
台湾を訪れた昭和天皇がこの花を見て名を訊ねた。
随行の台湾総督が名を知らぬまま咄嗟に「月下美人」と答えたそうだ。
「その名の通りの花だね」と云ったと聞いたような気がする。
以来月下美人となったという。
天皇でなければ月下美人とはならなかったと思う。
然れば昭和天皇が名付け親だとしていいと思う。
かく云う者が台湾総督であったら、“微笑小町”と答えた。
高貴な宮廷美人の装いだし、微笑む小野小町野のイメージにピッタリだから。

小野小町は平安前期の歌人。才色兼備の宮廷美人として知られている。
小町には色々な説話が伝わっているという。能の題材には打って付け。
「通小町(かよいこまち)」「草紙洗(そうしあらい)」などがある。
通小町は深草の少将の百夜通いを題材に、人の苦しみの根源をあばいて見せる。
草紙洗は小野小町というキャラクターを的確に描いた豪華絢爛、宮廷絵巻の能。

宮廷の歌合せに、前夜準備した小町の歌を大友黒主が盗む。
黒主は万葉の草紙に盗んだ歌を入れ筆して、小町の歌は万葉集の盗作だと訴える。
悲しむ小町、美人の憂愁は一幅の絵。
小町は帝に訴えて草紙を洗う。入れ筆の歌は流れて消える。
疑いが晴れ喜びの舞を舞う小町。美人の舞は一幅の美しい絵ならぬ一巻の動画。
数々の歌人がきらびやかに居並び、まさに宮廷絵巻を見るようだ。
視覚にも訴える能。

草紙洗
疑いが晴れ百官の居並ぶ中で喜びの舞を舞う小町

能「草紙洗(そうしあらい)」の詳しい解説はこちら
「善知鳥(うとう」」はこちら
「鵜飼(うかい)」はこちら
「求塚(もとめずか)」はこちら
「通小町(かよいこまち)」はこちら

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