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10.13
Sat
西横岳は北八ケ岳連山のピークの一つ。標高2500m弱の山
麓の蓼科高原からロープウェイが頂上近くまで運んでくれる。
季節にはロープウェイの終点から少し登ると高山植物が結構見られる。
今回は山の夏は既に終わり、花はほとんど終わっていた。


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西横岳頂上近くの景色 2018年8月31日写す。以下同じ
 
雨、風、ガス、寒くて頂上は諦め引き返した。
下界の猛暑にうっかり長袖を忘れたのが運の尽きだった。

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キンロバイ(金露梅) バラ科

鮮やかな黄金色、梅の花の形に咲くからが名の由来だという。
金と梅は納得だが露は何?色々図鑑を調べても“露”は露ほども記述がない。
勝手に解釈してもいいと云うのだろうか。
露は僅かとか儚いなどの意味に使われると辞書にある。
露の間、露の情け、露の命等々だが金露梅の露には遠いように思う。
「蓮葉の濁りにしまぬ心もて、などかは露を玉と欺く」
古今集、僧正遍照の歌だそうだ。
金露梅の露も遍照の歌の意味と云うことだろか。

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クロマメノキ(黒豆の木)ツツジ科

6月~7月にチョウチンのような小さな可愛い花を咲かせる。
実は見るからに美味しそう。見かけに違わず甘酸っぱく美味しい。
土地の人は浅間ブドウと呼んでジャム、ジュース、果実酒を造ったそうだ。
今は取ってはダメかも知れない。

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ゴゼンタチバナ(御前橘) ミズキ科

6、7月頃、白い清楚な花を咲かせる。
実はまん丸で真っ赤、ルビーのよう。
美味しそうだったので食べてみたが変な味がして思わず吐き出した。
昔、加賀の白山の修験者は霊草として有難がったという。

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シラタマノキ(白玉の木) ツツジ科

花はクロマメノキと同じころ咲く。
クロマメノキの花を少しペチャンコにした様なおもしろい形の花。
実も切れ込みがあって花だか実だか分からないおかしな形。
実はほのかに甘いがハッカのような味がして苦手。
食べた後スーッと爽やかで美味しいという人もいる。

白玉の木の白玉とは何だろうと辞書で調べたら米の粉で作った
ダンゴとあった。真珠という意味もあるという。
花や実は白くて丸くダンゴに似ていなくもないが、それでは白玉の木が
あまりにも可愛そう。矢張り真珠と思う事にした。

「白玉か何ぞと人の問いし時、露と答えて消えなましものを」
伊勢物語 六段「芥川」の歌。
入内前の二条后を在原業平が盗み出し背負って逃げる途中、
草の上に置いた露の玉を見て白玉?と業平の背中の上から二条后が尋ねたという。
露の玉ではなく涙の玉ともするらしいが、いずれにしても微笑ましい情景が浮かぶ。
この事件は能の格好の題材。「雲林院(うんりいん)」がありクセで詳しく語る。

能の詞章は名文が多い。別けても「雲林院」のクセはかなりの名文と云われる。
伊勢物語では二条の后を源氏が誘い出し、かくまった場所は鬼の住む所だったとある。
この能では所も紫式部の墓があった雲林院であり数々の名所のある所とし、
クセに源氏物語の光源氏と朧月夜内侍の恋「花宴の巻」を引用、情緒的に甘美な
物語に仕立てている。

在原業平は面“中将”を着て現れる。(能では面を付けることを着るという)
面も装束もいかにも平安殿上人、惚れ惚れとカッコいい。
殊に面がお似合い、いかにも業平。
それもその筈、面の中将は業平の顔を写したという面だから。

雲林院
“園原茂る木賊色の、狩衣の袂を冠りの巾子にうち被き、忍び出づるや如月の
黄昏月もはや入りて、いとど朧夜に、降るは春雨か落つるは涙か“
恋の逃避行を見せる業平。狩衣の模様は業平菱

能「雲林院」の詳しい解説はこちら

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