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12.03
Mon
高尾山の秋(1)裏高尾から城山へ 能「小鍛冶(こかじ)」「殺生石(せっしょうせき)」

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裏高尾風景、東京にも長閑な風景がある

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柚子、鈴なりの豊作

裏高尾は高尾山の賑やかな表登山口の北、旧甲州街道沿いの高尾山の山裾一帯をいう。
割と珍しい花が咲くことで知られている。観光客がほとんどいなくて静か。
いつもはJR中央線高尾駅からバスで終点、小仏から登り小仏峠、
城山を経てJR中央線相模湖までのコースだが今回は思いつきで
時間も遅かったので、表登山口の手前、小仏川沿いのハイキングコースを
歩き日影林道から城山に至るコースにした。

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ゲンノショウコ(現の証拠)フウロソウ科

幼い頃、腹痛やお腹をこわした時、お祖母ちゃんの家に駆けこみ
ゲンノショウコを飲ましてもらった。
お祖母ちゃんはゲンノショウコを整腸剤に日常的に飲んでいたようだった。
母親は民間薬嫌いで富山の置き薬か医者の薬の信者だった。
見つかると叱られた。だが富山の薬も医者の薬もゲンノショウコより苦く、
変な味で嫌いだった。薬の好きな人はいないから当たり前だが。

植物の名前は面白く興味深い。学者が付けたと思われる名、民間の言い習わしと
思われる名、吹きだしそうな珍妙な名、意味の分からない名、等々。
ゲンノショウコはそのものズバリ、当を得た名。
腹痛も下痢もお腹の不調は飲んだ途端、ピタリと治る、まさに“現の証拠”
ゲンノショウコの花は白花と紫がある。
故郷のゲンノショウコの花は鮮やかな紫できれいだった。

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城山の茶屋

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カンビール350円 名物ナメコ汁250円 オニギリは手製

思い付きだったので家を出たのが遅く急ピッチの登りは疲れた。
城山に辿り着きホッと。昼飯が美味かった。
相模湖へ下りる心づもりだったが時間が心配だなと思った途端、
急にしんどくなり足は勝手に賑やかコース、高尾山頂に向かっていた。

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シラネセンキュウ(白根川芎)セリ科

城山の茶屋の近くに咲いていた。
セリの仲間は、山にシラネセンキュウ、シャク、海に刺身のツマのハマボウフウ、
アシタバ、田んぼや沼にセリ、畑に人参などなど。
セリ科独特の香りと風味があり美味しい。
味も似ているが花も葉っぱもよく似ている。
センキュウは漢方の名だそうだ。シラネセンキュウの根も漢方薬。
漢方薬の起源は不老不死の薬を求めて野山の草木、動物、鉱物をくまなく探し求め
試したのがはじまりだそうだ。毒を飲むという事故も当然あっただろう。
清朝のある皇帝は水銀の鉱石、辰砂を飲んで血を吐き死んだという。
真っ赤な不思議な色に魅せられ不老不死の妙薬と信じ込んだのだろうか。
十数年前、痩せ薬の漢方を飲んで死んだ女優がいた。
同じころ北京の空港で太った娘の土産に痩せ薬を買った。
女優と同じ薬だった。娘は体調が急変、中止して命拾いをした。

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サラシナショウマ(晒菜升麻)キンポウゲ科

サラシナショウマの若芽は茹でて水に晒して食べる山菜。名の由来だという。
水で晒すのはアク抜きか毒抜きかだろう。
キンポウゲ科にはきれいな花が多い。きれいなものには何とやらで、二輪草の
他はほとんど毒があると聞く。その最たるものが猛毒のトリカブト。

ブラシに似た花というが、ブラシは汚れを落とす道具、純白の清楚な花には
ブラシでは可哀そう、白狐の尻尾と呼びたい。
小さい白い花が集まって咲き毛のように見える。まさに白狐の尻尾。

白狐は年を経て白くなった狐で神通力を持つという。
稲荷神社の神は狐。能「小鍛冶」では都随一の刀工、三条小鍛冶宗近が
剣を打つよう勅命を受ける。勅命の剣を打つには宗近に劣らぬ相槌が
なくてはならない。困り果てた宗近は氏神、稲荷明神に祈願する。
稲荷の明神が現れ助太刀の相槌を打つ。
狐明神が歴史上の名剣の由来を語り舞い、宗近と剣を打つ様子をキビキビと見せる。
キツネの動きの特徴を形象化した、能の型の魅力を見せる。

こかじ
宗近の相槌を勤め剣を打つ稲荷明神

悪狐の能もある「殺生石」
古代インド王の后となり王に勧めて千人の首を斬り、後に古代中国の王の
后となり悪行の限りを尽くした女が、死後日本に生まれ変わり鳥羽の院の
玉藻の前となった。
帝の命を狙ったが陰陽師に正体を見破られ白狐となり那須野に逃れ人や獣や鳥を殺した。
神秘な異次元の世界に誘われ戦慄が走る能。

殺生石
石を割って現れたキツネの妖怪

『小鍛冶(こかじ)』の解説はこちら
『殺生石(せっしょうせき)』の解説はこちら

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