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08.03
Sat

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スカシユリ(透百合)ユリ科 茨城産 令和元年6月29日写す

イワトユリの別名があるそうだ。隣の花びらとの間に隙間があり
天の岩戸になぞらえた名かもしれない。

天の岩戸の神話は誰でも知っていると思う。
弟、素戔嗚尊の御乱行に怒った天照大御神が天岩戸に入った。
世の中は真っ暗になった。天照大御神は太陽神だったから。
天照大御神をおびき出そうと神々が集まり芸能大会を開き大はしゃぎをした。
天鈿女命があられもない姿で踊った。
大騒ぎに天照大御神が岩戸を細目に開け外を覗いたた。
待ってましたとばかり天手力男命が強力にまかせ岩戸を引き開けた。
世の中は再び明るくなった。
スカシユリの花びらの隙間のような天岩戸の隙間からサッと差し出た
光はスカシユリのような鮮やかな光だったのではないだろうか。

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ネジバナ(捩花)ラン科 東京産  令和元年6月27日うつす

ノウゼンカズラを鉢植えにした。塀の柵にぶら下げたまま7,8年経つが
いっこうに咲かない。咲くわけないよと隣のおじさん。
同じ鉢にこのところネジバナが毎年咲く。どこから来たのか首を傾げるばかり。
咲かないノウゼンカズラは流刑の運命と慮ったネジバナが気の毒がって
代わりに咲いたのだろう。
ねじ曲がって咲くが心は真っすぐ、抜群に優しいのだろう。

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ゲッカビジン(月下美人)サボテンか科 武蔵野市友人から貰う
令和元年6月29日写す

夕闇の中、突然咲く。透き通る純白の花に一瞬息を呑む。
名付け親は昔の台湾総督。昭和天皇が皇太子の頃、台湾を訪れた。
見慣れない美しい花に目を止め総督に名を訊ねた。
畑違いの総督が名など知る訳がない、が知らないとは言えない。
ぐっと唾をのみ込み咄嗟に「月下美人」と答えた。
日本語の名があったのか無かったのか知らないが以来、本名になった。
その時の状況と云い花の姿からもぴったしのネーミングに異を唱える人は
無かったのだろう。畑違いの総督の金メダルですネ!

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コダマスイカ(小玉西瓜)ウリ科 武蔵野市の花屋で苗を求む 令和元年6月27日写す

2、3年前、小玉西瓜の苗を貰った。西瓜は地に這わせるのが常識。
ネズミの額では無理。苦肉の策で支柱に絡ませて実を網袋に入れてぶら下げた。
通る人毎に口に手を当てクスクス。笑いは健康の元、今年も笑わせてやろうと
植えたが誰も見向きもしない。柳の下のドジョウでした。
何事も度重なればロクなことにならない。
昔、伊勢湾の阿漕浦(あこぎうら)は伊勢神宮にお供えする魚を獲るため禁猟区だった。
阿漕という男が夜な夜な忍び込み魚を獲った。初めは誰も気が付かなかったが
度重なるうちにバレて簀巻きにされ沖に沈められ殺された。
我が家のスイカも一回で止めて置くべきでした。

能「阿漕(あこぎ)」は度重なった故の悲劇を作った能。
阿漕は下賤の漁師、生活のため死を恐れながらも禁猟区に忍び込み魚を獲る。
魚を獲るという快感もあった。
阿漕は僧に阿漕が浦の謂れに就いて語る。阿漕の懺悔が痛ましい。
俄かに突風が吹き荒波が襲い阿漕は叫び声を残し消えうせる。
鳥肌の立つ型の連続で前場締めくくる。

僧の弔いに阿漕の霊が四手網を担いで現れ網に魚を追い込む様を見せる。
「イロエ」と云い息詰まる場面。
俄かに波は火炎となり地獄に早変わりする。
生きる為には殺生戒を犯し地獄を恐れながらも漁をせざるを得ない下賤の人を描いた秀作。

阿漕
禁猟区の浦に網を引く阿漕

能「阿漕(あこぎ)」の詳しい解説はこちら
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