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09.08
Sun
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五合目のにぎわい。令和元年8月26日写す。以下同じ

やはり世界の富士山。外国語が飛び交う。日本語らしい言葉が聞こえて来ると
耳をそばだてて確認、同胞もいたとホッとする。
外国人登山者の過半数を占めたという話題の隣国の会話がほとんど聞こえなかった。

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ミヤマシャジン?(深山沙参)キキョウ科 又はヒメシャジン(姫沙参)?

初めて見たような気がする。ツリガネ人参、ソバナに似ているが葉っぱや花が違っていた。
分からない花の名を教えてもらっている都立野川公園、自然観察センターの
係の人に写真を持参して教えてもらった。
写真が不鮮明で確かとは言えないがミヤマシャジンかヒメシャジンではないか
とのことだった。花の形はふくよかで花色もみずみずしくきれいだった。
葉は三枚の輪生。

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キンレイカ(金鈴花) スイカズラ科

厚めの花弁が外側に少し反り返り幼な子の唇の様。可愛い花。
金の鈴も名付けて妙。富士山の懐に咲き、“月見草”よりも似合う?

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アキノキリンソウ(秋麒麟草)キク科

この花を見るともう秋が近いのかとチョットしんみり。
黄金色の小花がこんもり、泡立ち草の別名もあるとか。
アメリカ渡来の悪名高いセイタカアワダチソウも同種だそうだ。
この花もきれいな花。有無を言わせず他の植物を追い出して蔓延るので
嫌われる。 “やり過ぎ”には気を付けないとネと考えさせられる。

麒麟は想像上の霊獣、麒麟とどういう関わりの名か学者も分からないらしい。
黄金色の花が泡のように盛り上がって咲き、さながら霊獣麒麟が駆けている
姿に似ていて、ビールの泡にも似ているから麒麟草、としたら例のビール会社が
喜ぶだろうナと冗談一席。

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ヤハズヒゴタイ(矢筈平江帯)キク科

高原の草地でよく見かけるような気がする。確たる印象がない花。
目立つ花ではないが面白い形。“私だって花ですよ”
と細々自己アピールしているよう。
能「西行桜」で“心なき草木も花実の折は忘れめや」と謡うが実は心がある。
詫び住まいの西行法師の庵の桜の盛りに、花見客が押し寄せた。
うるさいと西行さん、腹立ちまぎれに一首を詠む。
“花見にと、群れつつ人の来るのみぞ、あたら桜の科には有りける”
桜の精が風雅な老人姿で現れ“桜の罪とは心外”と西行さんに文句を言う。

野や山の花には息を呑む程豪華な花も咲き、エッ、これ花?という地味な花も咲く。
花はそれぞれ大なり小なり自己アピールの手段に見える。
ヤハズヒゴタイの地味な花を見ていて、父に友人がしみじみ述懐した言葉を思い出す。
“戦前、自分は全体の中の自分と散々叩き込まれた。戦後になったら、自分があって
全体があるという風潮となった。気の弱い自分はコロッと変われない、悲しいネ”
とうに亡くなったが、生きていたら今の世を見て、悲しい位では済まないだろうナと。

矢筈は矢の部品で知っていたが平江帯が分らない。当て字なのだろうか。

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五合目の土産物屋前から七合目の小屋の前まで往復するそうだ。
下りの馬、数頭に出会った。“撮っていいですか?”にニッコリVサイン。
馬や牛は少々ノンビリだが超省エネ交通機関。
昔は乗り物、運搬手段は馬車,牛車だった。
エンジンの馬牛はやそこいらに生えている草を食べさせればOK! 超省エネ!
昔は馬や牛の飼料に自然に生えている草を刈った。昔の貴重な草は今は雑草。
環境保全で苦労して刈り取り捨てる。
石油は温暖化の問題を抱え更に枯渇も近い。核燃料の完全制御は難しくオッカナイ。
そのうち牛馬の時代が来てノンビリ世界になるかも知れない、などとたわけた冗談。

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馬糞(まぐそ)

道の真ん中に鎮座していた。数人の親子が不思議そうな顔を並べて覗いていた。
“馬のウンチですよ”と云ったら“キャッ”と奇声を発して飛びのいた。
排泄物は汚い物の象徴。世の中は、ばい菌ウヨウヨだと色々の消毒薬が出回り、
宣伝でなんでもかんでも汚い、危険だと云う。ついつい信じてしまう。
馬の飼料は稲科の植物が多い。完全消化されないで繊維がそのまま残る。
異臭は薄い。モンゴルの遊牧民の人達は乾燥したものを燃料にするそうだ、と口まで
出かかったが信じる訳ないと飲み込んだ。

“コッコッコ、ニワトリさん、お前は糞して尻りゃ拭かん、それでも卵は美味しいナ♪
子供の頃の友達の作詞。鳩ぽっぽの節で歌った。先生が聞いて大目玉。
以来校内で大流行となった。野口雨情賞なるものがあったら受賞間違いなし。
副賞は当時は貴重だったアメ玉だっただろう。

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イタドリ(虎杖) タデ科

種類が違うのかな?と思うくらい鮮やかな紅色だった。
虎の杖?どうして?と思うかも知れない。
田舎育ちで昭和生まれの人は知っている。子供の頃食べた。
太い茎が竹の子のように、にゅ~と伸び、茎の模様が虎の毛皮。
折るとポ~ンと小気味よい音がする。
知恵が付いた今はヌカ漬けで食べる。なかなかの珍味。

イタドリを虎の杖とは少々大袈裟。虎は動物園だけで昔から日本にはいない動物。
だが馴染み深い動物。
虎の皮の敷物は権威の象徴だったし、加藤清正は朝鮮の山奥で槍一本で虎狩りをして勇名を馳せた。
日本にはいない虎が身近で恐ろしい猛獣の象徴として言葉の綾などに使われた。

虎口を脱するという言葉がある。
能「安宅」では兄、頼朝に追われた源義経が奥州、藤原氏を頼り山伏に変装して
逃げる。途中、安宅関で見咎められるが弁慶の機転で難を逃れる。
まさに虎口を逃れたのだった。
「虎の尾を踏み毒蛇の口を逃れたる心地して」と謡われる。
弁慶の機転二つがこの能の聞きどころ見所。
先ず「勧進帳(かんじんちょう)」と呼ばれる“読み物”の場。

義経主従は東大寺再建のための山伏に変装、義経は荷物運びの少年下僕の強力に。
安宅関を通過しよとした。
関守の冨樫に怪しまれ、本物の勧進の山伏ならば勧進帳(寄進の趣旨を書いた巻物)
を読めと云う。
弁慶、迷うことなく笈の中から全く無関係の巻物を取り出し即興で偽勧進帳を読む。
迫力満点のシーン。内容の理解はさておいて、思わず身を乗り出して聞き入る。
一難去ってまた一難。今度は下僕姿の義経が疑われる。
強力姿だが持ち前の“上品さ”は隠せない。
弁慶の機転が益々冴える。
「判官殿(義経)に似たる強力めは一期の思い出よな~。腹立ちや日高くは能登の國まで指そうずると思いつるに、僅かの笈負うて後に下がればこそ人も怪しむれ、総じてこのほど憎し憎しと思いつるに、いで物見せん」
弁慶は手加減もなく金剛杖を振り上げ散々に義経を打ち据える。
手加減するとバレルからだ。
同行の山伏姿の義経家臣達もいきりたち、刀に手を掛け冨樫に迫る。
恐れをなした冨樫、関所を通す。
虎口を脱したが「たとい如何なる方便なりとも正しく主君の打つ杖の、天罰に当たらぬ事やあるべき」弁慶の嘆きが痛ましい。
重量感たっぷりの大作。

安宅
勧進帳を読む弁慶、疑い覗き込む関守冨樫、割って入る義経家臣

能「安宅」の詳しい解説はこちらこちら


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